千葉県議会 1999-06-04
平成11年6月定例会(第4日目) 本文
七月二日(金曜日)
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議 事 日 程
議事日程(第四号)
平成十一年七月二日(金曜日)午前十時開議
日程第一 議案第一号ないし議案第九号、報告第一号ないし報告第十二号及び発議案第一号に対する質疑並びに一般質
問
日程第二 休会の件
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午前十時二分開議
◯議長(
小川洋雄君)これより本日の会議を開きます。
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質疑並びに一般質問
◯議長(
小川洋雄君)日程第一、議案第一号ないし議案第九号、報告第一号ないし報告第十二号及び発議案第一号を一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。
順次発言を許します。通告順により伊藤丈君。
(伊藤 丈君登壇、拍手)
◯伊藤 丈君 おはようございます。私は去る四月の選挙によりまして山武郡から選出をいただきました伊藤丈でございます。本日は先輩諸兄のご好意によりまして、早速登壇の機会を与えていただき、感謝を申し上げます。
私は今回の選挙を通じて地元の皆様方に、
成田空港の早期完成と
騒音対策の充実、そして、
成田空港の機能を生かした
地域振興の必要性を訴えて、その実現に向けて一生懸命努力することを約束してまいりました。地域と空港の共存共栄を目指していくことは、
空港建設の閣議決定以来、三十有余年にわたって空港問題に深く携わってまいりました私の一貫した
取り組み姿勢であります。
空港建設に協力いたしまして土地を提供された多くの方々や、空港とともに地域の発展を念願してきたものの、いつしか空港の裏側と言われることとなった
空港南側地域の人たちの念願でもあると考えております。
振り返れば、私の住む芝山町は一部は空港用地に、町全体の七割弱は
騒音区域に置かれ、長く
空港反対運動による混乱が続いてまいりました。当然ながら町政は麻痺し、町全体が空港問題に明け暮れた日々が続きました。
騒音区域からの移転によって空港決定前の一万有余の人口は、開港時には八千人にまで減少し、町の将来を憂慮した時期もありましたが、平成三年、千葉県を初めとする関係者の努力によって空港問題の解決を目指した
成田空港問題シンポジウムが開催され、その
平和的解決の道が開かれるとともに、引き続き開催されました
成田空港問題円卓会議において、
参加者全員が地域と空港の共生に向けて努力していくことが確認されたことは、
空港周辺地域に将来の明るい期待を抱かせることとなりました。
この壇上に立ちますと、困難な歴史を踏まえながら、ようやく地域が一体となって空港との共生のため力を合わせることができる時代を迎えたと深く感慨を覚えると同時に、私どもに対する地域の期待と使命の重さをひしひしと感ずるところでございます。
御承知のとおり、
成田空港の早期完成は、今や国内の問題にとどまらず、国際的に見ても喫緊の課題となっているところでございます。仮に本年九月までに根本的な解決を図ることができなかった場合には、増大する国内外の航空需要にこたえるために、暫定的に滑走路を北側にずらして整備する案が提案されるに至り、地元ではこの整備の賛否をめぐってさまざまな場で意見が交わされているなど、空港問題の現状はその歴史の中でも特に重大なる局面を迎えたと言えます。
国、
空港公団はもとより、関係者においては
空港問題円卓会議の結論を尊重しながら、十分な話し合いによって早期解決に努力することを望むと同時に、決して過去の過ちを繰り返すことのないよう、切にお願い申し上げるものであります。
さきに申しましたが、私はこれまで空港に深く携わってまいりました。
芝山町議会議員として、また芝山町助役といたしまして、自治体の代表として、シンポ・円卓会議、新たに設置された
共生委員会委員として、空港問題の推移をつぶさに携わってまいった者でございます。そこで感じますことは、
空港建設という大きな問題の陰で、ややもすれば
騒音対策や
地域振興のための、いわば
住民対策が軽んじられているのではないかということでございます。
年間約二千五百万人の旅客と百六十万トンに及ぶ航空貨物を取り扱う大空港が運用され、雇用の機会の拡大など地域に極めて大きな波及効果をもたらしてはいるものの、一方では、騒音下の
住民対策が十分でなかったり、増大する
交通需要に対して
道路整備がおくれ、地域の
交通混雑はもとより、
交通安全上の問題も生じているというのが実態であります。
共生のためには、空港ができてよかったと
地域住民が感ずることのできる
地域づくりが必要であり、そのための対策を計画的に推進していくことが重要であります。そのことが今後の
滑走路整備に向けて地域の理解を促進していくための大きな課題になるものと考えるからであります。
そこで、私は
成田空港の地元対策、
騒音対策に極めて重要なかかわり合いを持ちます騒特法、そして
地域振興のために進められております道路や公園の整備等についてお伺いいたします。
まずは、騒特法に基づき県が進めている
航空機騒音対策基本方針の見直しについてであります。
御承知のおり、騒特法は著しい騒音が及ぶと予測される地域について、
土地利用の一定の規制措置を導入し、
騒音障害を未然防止しながら、騒音の程度に応じた
土地利用を積極的に進めることによって地域と空港の調和ある発展を図ることを目的としております。過去、この問題についてはその重要性にかんがみ、本会議において諸先輩議員からもたびたび質問がなされ、芝山町の
騒音区域に生活している私といたしましても重大な関心を持ってこの推移を見守ってきたところでございます。特に、昨年九月議会において、知事さんから本年二月ごろまでには決定したいとの前向きな御答弁を耳にし、いよいよ地域の念願であった
都市計画も、決定に向けて本格的に動き出したと大きな期待を寄せていたところであります。
しかしながら、まだ
関係市町に対して県の最終的な案が提示さえされていないと聞き、
地域住民の一人として極めて残念に思うとともに、今回の
平行滑走路問題がさらに決定時期をおくらせることにならないかと大変危惧するものであります。
そこで、私は、
騒音対策や
地域振興及びこれに関する
都市計画決定がおくれているために、地域に発生しているさまざまな問題点を具体的に申し上げ、早期決定の必要性を御理解いただいた上で、知事さんに現在の
取り組み方針等について伺いたいと思います。
まず、
騒音障害の防止の観点から現状の問題点について申し上げます。
最初に申し上げましたが、騒特法は
土地利用上、一定の規制措置を導入しながら、将来の
騒音障害を未然に防ぐといった目的を持っております。具体的には、著しい騒音が予測される地域を定め、
都市計画決定後は新規住宅の立地規制や防音工事の義務づけが行われる一方、特に著しい地区(防止特別区)内におきましては、希望によっては移転の補償が認められることになっております。しかしながら、現状では、本来、住宅等の立地規制が実施される地域に住宅地の開発が行われるといった法の目的に反した
土地利用が進められており、その一方では、同じ地域で移転が進められるという一貫性のない
土地利用が行われておるのであります。
このような無計画な
土地利用を目の前にし、
地域住民は行政に対するいささかの不信の念も募らせておるのでございます。また、
関係住民の生活再建のため、平成二年度から
空港公団は法に先行いたしまして
移転対策を行っており、
住民対策としての一定の評価を受けておるところでございます。しかしながら、この
移転対策の範囲は基本的には県の
基本方針の八十
Wコンター内に限られ、コンターの内外にまたがる集落では移転が進むにつれ集落が維持できなくなり、移転された方々も、税制上の問題があって
都市計画決定後でなければ
移転補償費の精算ができないという不安定な状況に置かれるといった問題も発生しております。
現在、県が進めている
見直し作業では、集落が分断しないよう配慮したコンターと聞きますので、一日も早く決定し、これらの問題が解決され、集落ごとの移転によって
地域社会の再建・維持が図られるよう強く望むものでございます。
次に、
地域振興の観点から、現状の問題点について申し上げます。
騒特法は騒音のレベルに適した
土地利用を積極的に進めて、地域と空港が調和ある発展を図っていくことも目指しており、まさしく地域と空港の共生のために必要不可欠な位置づけでございます。
成田空港はその機能拡大とともに地域の発展に大きく寄与しているところでもありますが、
円卓会議等で指摘されたように、
空港関連企業など
周辺地域への無秩序な進出は地域の乱開発をも促進し、もはや放置できない状況にあると言えます。
県が昭和五十七年に定めた
基本方針には、
施設整備の基本的な方向として、道路、区画整理、
上下水道施設の整備など、多くの
都市的施設の整備目標が掲げられ、生活利便の向上などに大きな期待が寄せられていましたが、
都市計画の中断によって
施設整備に対する財政的な援助が期待できなくなったため、ほとんど竣工していないというのが現状であります。
現在、芝山町では
関係機関の積極的な支援をいただきながら、町及び
空港南側地域の振興のための基幹施設である芝山鉄道の整備に向けて町民挙げて努力しているところでありますが、あわせて
区画整理事業への導入によって駅前地区を新たな拠点として整備しようとしております。
また、
空港南側地域では、このほか芝山鉄道の
九十九里地域までの延伸、
首都圏中央連絡自動車道、
銚子連絡道路など
交通基盤整備をもとに、多
機能型物流センター、多
機能型農業公園の整備、あるいは
内陸工業団地の整備、人口増に対応するための市街地の整備など、
地域振興のための各種の施策が計画されており、二十一世紀に向けた新たな
まちづくりに大きな期待を寄せているところでございます。しかしながら、これらを実現するに当たっても、
都市計画に基づいて計画的に推進していくことが不可欠であり、早期に決定がなされなければ、従前同様の結果になることは明らかであります。
以上、申し上げましたように、
都市計画が決定されないために、
空港周辺、特に
空港南側地域ではさまざまな問題が発生しております。空港の発展に反して
地域住民の生活環境は年々悪化しているといった意見もございます。
そこで、お伺いいたします。
第一点は、
基本方針の
見直し作業の現状はどうなっているのか。
また、第二点は、
都市計画が決定されないために地域に及ぼしている影響についてどのように考えているか。また、今後のスケジュールなどについてお伺いいたしたいと思います。
次に、
道路整備と
農業公園についてであります。
初めに、
道路整備についてお伺いいたします。
成田空港周辺で進められている
道路整備の主なるものは、
首都圏中央連絡自動車道、国道百二十六号の
バイパスとしての
銚子連絡道路の二本と、県道では
成田小見川鹿島港線、
成田松尾線があります。現在のところ、いずれも計画段階もしくは部分着工、一部供用の状況にあります。もともと
成田空港が決定したとき、
交通体系は都心と結ぶことに主眼が置かれ、湾岸道や東関道、あるいは国道五十一号等の整備に力が注がれてきたのであります。そのため
地域振興あるいは住民生活にかかわる道路の整備の立ちおくれがあったことも事実であります。
現在、
空港周辺の主要道路は、通勤時間帯になりますと著しく混雑し、迂回する車によっては町道まで影響が出ておるのであります。ちなみに、平成九年
空港周辺主要道路の
交通量の調査を見ますと、いずれも一日当たりでありますが、国道二百九十五号成田市馬場地先が三万四千三百台、国道二百九十六号富里町七栄地先一万六千二百台、
県道成田小見川鹿島港線大栄町地先一万一千台、空港内を通る南北道路で一万六千八百台となっております。この
交通量の多くが朝夕の通勤時間帯に集中する傾向にあるとするならば、都心並みの渋滞も起こり得るわけであります。
運輸省が示した二〇〇二年
平行滑走路供用が現実のものとなれば、数年のうちに
交通量は増大し、渋滞を越えて混乱状態になることも予想されます。したがって、道路の整備は喫緊の課題であり、今、積極的に取り組まなければ、いずれ行政責任を問われかねない重要な問題であると思います。
そこで、数点お伺いいたします。
第一点は、
成田松尾線の
バイパスについてであります。空港近くの一部と芝山町から国道百二十六号までは供用されており、芝山町の未供用部分の工事も進んでいるようですが、いつごろ完成供用できるのか、その見通しをお聞かせ願いたいと思います。
第二点は、
成田小見川鹿島港線についてであります。
成田小見川鹿島港線は朝夕大変混雑し、車両の一部は芝山町、多古町を経て空港へと流れておるのであります。早期に整備する必要があります。そこで大栄町
十余三地先の現在の
整備状況を具体的にお示し願いたいと存じます。
第三点は、
銚子連絡道路についてであります。
銚子連絡道路は
東総地域の活性化を図るため重要な路線と考えております。本道路の松尾町から光町間の
整備状況はどうか、それぞれお伺いいたしたいと思います。
最後に、これは答弁不要ですが、圏央道について一点御要望申し上げたいと存じます。
圏央道は県土の均衡ある発展と
成田空港並びに
周辺地域の発展に不可欠な幹線道路でございます。茨城県境の神崎から大栄間については平成九年二月に
整備計画区間となり、横芝から東金間は
千葉東金道路二期として昨年三月に供用されました。残っております大栄から横芝間について
早期整備が望まれております。本区間のより一層の整備促進を強く御要望申し上げたいと思います。
次に、多
機能型農業公園についてお伺いいたします。
農業公園の整備については、平成八年
基本構想が策定され、その後、
各種準備作業が進められてきたことは承知しておりますが、その後地元との協議、地権者との交渉など、目に見える動きがないように思われます。最近、地元住民の中に、県は過去に県民の牧場や
蘭センター構想を打ち出し、地元に説明しながら立ち消えになった事業があるが、今回も同じ結果になるのではなかろうかなと危惧する声もございます。二〇〇二年までに
平行滑走路の整備を進めるには
地域住民の理解と協力が不可欠であります。そのためには空港の
マイナス面だけでなく、
プラス効果を住民が肌で感じ取れる、そんな政策を具体的に進める必要があろかと思います。私は
農業公園の動き出しが
空港整備を進める上で大変大きな役割を果たすものと考えております。
そこで、お伺いいたします。多
機能型農業公園整備事業の進捗状況はどのようになっているのか、具体的にお聞かせ願いたいと思います。
以上で第一回目の質問を終わります。よろしくお願いします。(拍手)
◯議長(
小川洋雄君)伊藤丈君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事沼田武君。
(知事沼田 武君登壇)
◯知事(沼田 武君)
伊藤丈議員の御質問にお答え申し上げます。
私は騒特法に基づく
基本方針の
見直し作業の現状についてお答え申し上げたいと思います。
基本方針の見直しは
航空機騒音障害防止地区及び
防止特別地区の区域を決めるほか、農用地、住宅地、
工業地等の
土地利用や道路、公園等の
施設整備などの
基本的事項について定めようとするものでございます。このうち農用地、住宅地、
工業地等の
土地利用や道路、公園等の
施設整備に関する
基本的事項につきましては、
関係市町との事前調整を行ったところでございます。一方、
防止特別地区の設定については、現在、
関係市町との最終調整の段階にございますが、五月二十一日に国が
平行滑走路の暫定案を提示したために、
騒音区域や
土地利用の影響などを含め、これらの推移を見守りながら慎重に対応を検討してまいりたいと考えております。
なお、地区設定に関する成案が得られ次第、
土地利用や
施設整備に関する
基本的事項とあわせて、
航空機騒音基本方針案を取りまとめ、早急に国と協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、多
機能型農業公園整備事業の進捗状況についての御質問でございますが、多
機能型農業公園は平成七年二月に策定された
成田空港周辺地域振興計画の主要施策の一つに位置づけられておりまして、
空港周辺地域の
農業振興や活性化を推進する拠点として芝山町に整備することにいたしまして、平成八年度に
基本構想を策定したところでございます。構想の実現に向けまして九年度に実施した芝山町
住民意向調査を初め、
用地周辺環境等の基礎調査を踏まえまして、十年度は
地元関係者を含めた
基本計画策定委員会を開催しまして、一つには、自然景観を考慮した
土地利用、二つ目には、野菜、果樹等の多様な農業経営の実践展示、三つ目には、社会情勢や財政状況に応じた
段階的整備など、
基本計画の骨格を固めたところでございます。
なお、平成十一年度はこの骨格をもとに、さらに内容を詰め、
基本計画を策定することにいたしております。
今後とも地元を初め広く
関係機関、団体と連携を持ちながら、計画が着実な具体化を図る努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
他の問題は
関係部局長から答弁申し上げます。
◯議長(
小川洋雄君)
土木部長武藤和宏君。
(
説明者武藤和宏君登壇)
◯説明者(武藤和宏君)
道路整備についてお答えいたします。
最初に、
成田松尾線の
バイパスの芝山町の未供用部分の
供用見通しについてでありますが、
県道成田松尾線は、山武、東総方面から
成田空港への主要な
アクセス道路であり、
バイパスを計画し、現在、事業を進めているところであります。このうち芝山町の
バイパス延長七・六キロメートルについては、これまでに四・五キロメートルの供用を図っているところであります。残る区間のうち、朝倉工区一・七キロメートルについては、平成十一年内の供用を目途に工事を進めているところであります。また、宝馬工区一・四キロメートルについても、引き続き地元の協力を得ながら
用地買収を進め、
早期整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、
成田小見川鹿島港線大栄町
十余三地先の現在の
整備状況についてでありますが、
県道成田小見川鹿島港線は、
横芝下総線大栄町
十余三地先の
クランク交差点で特に渋滞が激しいことから、交差点を含む延長一キロメートルの整備を進めているところであります。平成十年度末の
用地買収の進捗率は約四四%となっておりまして、平成十一年度は引き続き
用地買収を進めるとともに、一部工事を実施することとしております。今後とも地元の協力を得ながら、事業の推進を図ってまいりたいと考えています。
次に、
銚子連絡道路の松尾町から光町間の整備についてでありますが、
銚子連絡道路は
地域高規格道路として位置づけられ、
千葉東金道路と一体となり、
東総地域における県都一時間構想の実現と
東総地域の活性化を図る上で重要な道路であります。そのうち松尾町から光町間約六・七キロメートルは
山武東総道路として平成九年度から事業化されておりまして、現在、鋭意
用地買収を推進しているところであります。平成十年度末までの
用地買収率は約二三%となっておりまして、今後とも
地元関係者の協力を得ながら事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯議長(
小川洋雄君)
都市部長田辺英夫君。
(
説明者田辺英夫君登壇)
◯説明者(田辺英夫君)騒特法に関する
都市計画についての御質問についてお答えいたします。
都市計画は
空港周辺地域における
騒音対策や
まちづくりに対して大きな役割を担っております。その早期策定が必要なことは県としても十分認識しているところであります。本地域の騒特法に関する
都市計画は、
航空機騒音対策基本方針に基づいて定めることになっておりまして、
地域住民や自治体の意見に十分配慮しながら進めなければならないと考えております。今後、
騒音対策を含めた合理的な
土地利用と道路、公園等の都市施設を備えた計画的な
まちづくりを行うため、この
基本方針案がまとまり次第、速やかに
都市計画の手続を進めてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
◯議長(
小川洋雄君)伊藤丈君。
◯伊藤 丈君 私の質問に対しまして御当局の懇切なる御答弁まことにありがとうございました。
成田空港関連の緊急かつ重要課題につきましてお伺いいたしました。いずれも
空港周辺圏域の重要な問題でございます。御当局が総力を挙げていただきまして、これら促進が図れますように強く御要望申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
◯議長(
小川洋雄君)次に
湯浅和子君。
(
湯浅和子君登壇、拍手)
◯湯浅和子君 おはようございます。民主・未来、松戸市選出の
湯浅和子でございます。今回、初当選、初登壇ということで、そのチャンスをくださいました先輩の皆様方に心から御礼申し上げます。一年生議員、二番バッターとしてつないでいきたいと思います。さらに、透明でわかりやすい県政を目指せと応援してくださった有権者の皆様にもおこたえできるよう、精いっぱい頑張りたいと思います。どうぞ御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。
昨日までの代表質問を聞かせていただきまして感じたことは、未曾有の経済不況から抜け出せない中で二十世紀が終わり、次の千年期を迎える今、何が新しい価値観なのか、何が人間を幸せにする基準なのか、行政も、議会もその答え探しに真摯な模索をしている、それは新しい民主主義を模索する作業なのだと思います。新しい民主主義、つまり自分に責任を持つことと言い換えましょうか、自己決定が尊重される。そのためには判断する情報が提供されなければならないし、参加が保障されなければなりません。
情報公開法、
行政手続法、NPO法、そして
地方分権法と枠組みは整いつつあります。競争の原理だけではない、高齢者も、障害者も、女も、男もみんな人間らしく生きられる社会を目指して、ぜひ頑張りたいと思います。
それでは、質問に入らせていただきます。
まず、一番目、県民参加の県政をつくるためにです。
初めての質問をするに当たり、少し県政への思いを述べさせていただきます。
松戸市議会で働きながらいつも感じていたことは、施策のことごとくに県の予算が配分されているのに、その基本となる県の施策についての意義や評価など、ほとんどなされないままに進められていることへの疑問でした。政策立案は行政指導でという姿が県にはとても強いように思います。いつの間にどうやって決まったのだろうと感じることが多く、県民が口を挟む、意見を述べる機会はほとんど保障されないように見えます。
国が決めた法律に沿って県が条例を定め、その枠内で市町村が要綱や条例を作成する。市町村の独自の
施策づくりは県の条例に阻まれます。個別なもので例を挙げれば、
環境基本計画や
高齢者保健福祉計画において、その限界を感じてきました。
環境基本計画はどこの自治体でもそうだと思いますが、松戸市におきましても総合計画に次ぐ上位のプランとしてつくられました。庁内全課に及ぶ広範なもので、決定過程の中で市民と行政との対話集会が開かれ、市民はそれぞれに意見を述べてニーズを反映させることができました。しかし、常に法律や県条例が上限のプレッシャーをかけたのです。県の段階で県民参加がなされていないからです。見えない、遠いという市民の不満は長く払拭されていないのです。
地方分権法によれば、みずからが政策決定に責任を負わなければなりません。乱暴に言うならば、自分たちのことは自分たちで責任を持って決めていくということになります。自治体がその趣旨に沿って行政を進めようとするならば、県民、市民の意見を把握し、政策を説明する責任がますます重要になってまいります。県民の側でも、一方的に行政に要望するのではなく、行政とパートナーシップを築きながら
施策づくりにかかわらなければならないだろうと思います。人口規模の大きい中間自治体である千葉県が、果たして県民参加という直接民主主義の手法によって県民とのパートナーシップがつくれていくのか、私の中でも何度も問い返してきました。
しかし、これを取り上げた背景には、第一は、まだ問題点があるとはいえ、
地方分権法が確実であること、少子・高齢化の進行する中で、いわゆる成熟社会へと進むであろうことなどを展望したとき、かつて東京都の美濃部都政が試みた都民参加とは一味違う、千葉方式の県民参加をつくってもよいのではと考えました。
六月二十八日の朝日新聞千葉版は、成田の国際空港の問題と三番瀬の問題で大半を占めていました。土地収用によって犠牲になる農民の皆さんの切実な声を、それがたとえ自己の利益を強く主張するものであっても、県や身近な市町村が受けとめて、国に対して真剣に、積極的に交渉する形をとっていたならば、もっと事態は変わっていたと言われています。県民の納得が得られなければ、撤退だってあった選択かもしれません。
もう一つの三番瀬問題では、こんなことがありました。千葉県が当初の埋め立て計画を七分の一に縮小して懇談会にかけるというプロセスの中で、市民から県は懇談会の傍聴を認めない、おかしいという苦情が来ました。早速私も担当課に申し入れてみましたが、強く断られました。当該する座長さんに諮ることもできないというかたくなさには全く驚きました。
三番瀬問題こそ県民参加、市民参加を積極的に進める課題ではないでしょうか。政策決定過程をシステムとして確立することが必要になったようです。県民参加の県政を進めるために、審議会や委員会などの公開、傍聴などについて、今後どのように検討していくのかお尋ねいたします。
二番です。千葉県における男女平等に向けた取り組みについてです。
男女平等の社会をつくるために必要な法律上の措置を包括的に規定した男女共同参画社会基本法が六月十五日に成立しました。その前文では、「男女が互いにその人権を尊重しつつ、責任も分かち合い、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮できる社会」と明確な理念を打ち出しています。これは女性にとっても、男性にとっても非常に大事なことだと思います。
第五条の政策等の立案及び決定への共同参画も民主主義の成熟を促進させる重要な事項です。さらに、その実現のために第八条、第九条で積極的な改善措置を国、地方公共団体の責務としたことは大きな意義があります。これにより民間はもとより、中央官庁や自治体は、採用、教育、訓練、管理職への登用等の機会を女性に積極的に提供しなくてはならないことになりました。今後具体的に定めなければならないのですが、その際数値目標をはっきりと明記させることがこの法律の大きなかぎではないでしょうか。
基本法の大きな機能の二番目は、政策決定過程への枠づけ機能です。さらに、三番目には、誘導的機能を持たせたことです。個別法令の制定を誘導するもので、第十一条で法制上、財政上の措置を規定し、苦情処理なども第十七条で国の一般的措置義務を定め、必要が生じた場合には個別的な法で措置するとなっています。
以上、基本法の概略を述べました。とてもすっきりしています。でも、少し具体的なものが見えないという側面があって、政策の実現性という点では心配があります。つけ加えるならば、ポジティブアクションに関する法制化を行うことや、オンブズパーソン制度等を個別的にこれから定めることが必要です。
さて、さきにも述べた第九条は、国の施策に準じた施策のほか、区域の特性に応じた施策が地方公共団体の責務だとしています。それらを入れながら、男女共同参画社会基本法の明確な理念を実現させるためにも条例を制定すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、庁内の行政機構について来年四月を目途に今そのあり方を検討していると伺っていますが、女性問題の担当所管はどのようになるのでしょうか。現在の機構では、社会部の青少年女性課の中の一つの係として位置づけられていますが、積極的な意図が伝わってきません。基本法の制定を受けて所管の整備をするべきだと考えます。部・課の再編に当たって、女性施策を担当するセクションのあり方についてどのようにお考えかお聞かせください。
三番、市町村の女性行動計画づくりの現状はどうでしょうか。また、未策定市町村に対してどのように対応するのでしょうか。
三番目、周辺事態安全確保法についてお尋ねいたします。
この問題につきましては、国会での採決で民主党も反対した経緯を受けて、また私自身、日本は過去の過ちを二度と繰り返してはいけないという立場を表明して御質問に入ります。
憲法は、地方自治について第八章で、「……地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」としています。民主主義の基本である地方自治を日本の政治の基礎としてとても大事にしていることがわかります。そして、地方自治というのは、あくまで住民自治だということです。地方自治体の長である知事に対して、そのことの認識を十分にされていただいて御答弁いただきたいと思います。
今回、私はいわゆるこの法律の九条の問題について絞りたいと思います。申し上げるまでもないと思いますが、九条は「一 関係行政機関の長は、法令および
基本計画に従い、地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる。二 前項に定めるもののほか、関係行政機関の長は、法令および
基本計画に従い、国以外の者に対し、必要な協力を依頼することができる。」そもそもこの法案は北朝鮮脅威論が背景にあることは周知のとおりです。日本と朝鮮との歴史的なかかわりを考えれば、飢餓や経済困窮にある北朝鮮に対し、平和的な外交を積極的に進め、手を差し伸べるときだと思います。韓国の金大中政権は太陽政策を掲げ、北朝鮮に開放を促す融和策を必死になって模索している姿が伝わってまいります。
質問に入ります。
周辺事態安全確保法案が制定されて、協力項目の例も示されました。いつこの法律に基づく協力要請があってもおかしくない状況になっています。この法律に対し、知事はどのようにお考えでしょうか。また、具体的に協力要請があった場合、自治体の長としてどう対応していかれるのか、お尋ねいたします。
四番目、東葛飾北部地域における身体障害者療護整備の見通しについてお伺いいたします。
障害者プランノーマライゼーション七カ年戦略は一九九六年度に実施されて、今年度は四年目を迎えたところです。地域で自立した生活を支援するとの視点から、在宅、施設サービスの全般にわたって見直しがされたわけですが、今回御質問いたします施設の建設については、この地域の計画が示されておりません。実情をお話しいたしますので、ぜひ進めていただけますようお願い申し上げます。
ことし四月現在で五百八十九万人の人口を擁する千葉県で、今回、私が取り上げた東葛北部地域に住む人々は百二十六万人おられます。さらに、東葛南部地域を合わせますと二百八十万人になり、実に千葉県の人口の四割を占めることになります。ここでお話しする東葛北部とは、松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市、関宿町、沼南町の五市二町で構成されている障害保健福祉圏域を指します。
さて、これらの地域は東京に隣接した立地条件であり、住む人々の多くなるのは当然ですが、しかし、障害者にとっては暮らしやすい地域とは言いがたいものがあります。それは千葉県の中でもこれだけ人口が集中しておりながら、東葛北部地域には身体障害者が安心して暮らせる入所施設、療護施設が全くないのです。県内のこの施設の状況は全部で十五施設ありますが、千葉福祉圏域に一つ、東葛南部に二カ所、印旛・山武に四カ所、香取・海匝に二カ所、夷隅・長生・市原に二カ所、安房に二カ所、君津に二カ所となっていて、東葛北部にはゼロという数字が並ぶばかりです。
この地域では二万一千人の障害者の方がおられますが、建設を待てずに他の地域に入所せざるを得ない身体障害者が八十四人おられて、船橋や四街道、富津、鴨川などの施設で生活しています。さらに、入所を希望して待機している方が十二人に上り、近年ふえる傾向にあると伺っています。障害者も肉親も高齢になっていく、これが共通した状況で、もし障害者がひとり残されてしまったらと心配するのは想像にかたくありません。
千葉県の障害者施設建設の計画を見てみましても、さきに述べた障害保健福祉圏域の整備率の均衡を見て、また
施設整備の必要性が客観的に認められ、待機者の生活状況、在宅福祉サービスの利用状況などから整備の緊急性が認められるときと方針が出ているようです。この条件にまさにぴったり合致しているのが東葛北部地域ではないでしょうか。東葛北部地域に県の身体障害者療護施設を整備すべきと思うが、いかがでしょうか。
五番目、ダイオキシン対策についてお伺いいたします。
所沢産の野菜から高濃度のダイオキシンが検出されたという二月一日のテレビ放送がきっかけになって、東京の市場では埼玉県産の野菜が暴落し、日本じゅうに衝撃が走ったことは記憶に新しいことです。ごみ焼却施設や産業廃棄物処理施設周辺でダイオキシン類による汚染の危険がずっと以前から指摘されていましたから、所沢騒動はやっぱりという気持ちとダイオキシン恐怖の幕開けを予感させるものでした。
私たちはさまざまな化学物質からつくられた製品を使いながら、燃やすということの意味を知らずに過ごしてきました。ごみは燃やせば灰になり、消えたかのように見えます。燃やすことに何も疑問を持たなかった社会認識が、とんでもない環境汚染を引き起こしているのだということに行き着いたわけです。ここに来てようやく政府のダイオキシン対策のスピードが速くなってまいりました。
六月二十五日、ダイオキシン対策関係閣僚会議において、家庭ごみ等の一般廃棄物と産業廃棄物をあわせた国全体の廃棄物の減量化を法律によって規定することを決めました。あわせて閣僚会議は、人が一生とり続けても悪影響のない耐容摂取量を四ピコグラムとすることに決めました。ダイオキシンは人間に害しかもたらさないし、何もいいところはありません。そのような物質ですから、基準は厳しいほどいいのです。耐容一日摂取量を厳しくすることで排出の絶対量に制限を加え、被害が広がるのを抑えられます。社会的な指針を示す重要な数字なのです。本当はWHOの定めた耐容摂取量一ピコグラムとしてもいいと思います。
さて、さきの閣僚会議の内容を見てみますと、これまでの焼却して埋め立てるという廃棄物の処理の基本的な考え方を方向転換いたしました。廃棄物の再生利用や廃棄物に含まれる有用資源の再生利用などリサイクルを徹底させます。そして、やむを得ず処理しなければならない廃棄物は、将来の技術開発による再資源化の可能性も視野に入れつつ、引き続き安全性を期して処理するというものです。脱焼却、脱埋め立てに向けて大きく方向転換させるものです。ダイオキシン対策はまた新たな段階を迎えることになりますが、そこでお伺いいたします。
一番、産業廃棄物の排出を抑制するために、県はどのように取り組んでいるのでしょうか。
二番、一般廃棄物の減量に向けて生ごみの再生利用を促進するために、県はどのように取り組んでいくのでしょうか。そして、ゼロエミッションの実現に向けて、県民に対して県は今後どのように取り組んでいくのでしょうか。
六番、介護保険についてお尋ねいたします。
福祉の概念を権利として定着させようと努力していた矢先に、選択という市場原理を含んだ介護保険制度が実施されることになりました。介護の社会化を手に入れるために、私たちは大きな意識変革を迫られることになります。消費税導入は何だったのでしょうか。もっと政治が信頼されていればと悔やまれてなりません。今回は弱い立場の人をどうフォローするかという視点で御質問させていただきます。
一番、次期千葉県老人保健福祉計画の
見直し作業について、方針や今後の手順はどうなっているのかお尋ねいたします。
二番、介護保険導入時に特別養護老人ホームに入所している方で、自立や要支援と認定された者は五年以内に退所するということになっているようですが、県はどのように対応されるのでしょうか。
三番、介護支援専門員の養成について、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
以上で第一回目の質問を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
◯議長(
小川洋雄君)
湯浅和子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事沼田武君。
(知事沼田 武君登壇)
◯知事(沼田 武君)湯浅議員の御質問にお答え申し上げます。
私は周辺事態安全確保法について二点お答え申し上げたいと思います。
まず、周辺事態安全確保法が制定され、協力の項目を示されたが、この法律について知事はどう考えているかということでございますが、いわゆる周辺事態安全確保法は基本的には国の専管事項でございます外交、防衛に関する法律でございまして、県民を含む国民全体の平和と安全を守ることを趣旨としているものと認識しております。しかし、この法律には地方公共団体及び民間に協力を求める部分がありますので、県民生活にできるだけ支障が出ないように配慮して対応していくことが大事だというふうに考えているところでございます。
具体的に協力要請があった場合、自治体の長としてどう対応するかということですが、周辺事態安全確保法については、現時点では概括的な協力項目例が示された段階でございまして、具体的な対象となる施設、運用方法、手続などについて政令やマニュアル等が示されていない状況でございますので、今後、さらに渉外知事会等を通じて情報の収集等に努めるとともに、対応についても検討してまいりたいと考えております。
他の問題は担当部局長から御答弁申し上げます。
◯議長(
小川洋雄君)総務部長石橋暎壽君。
(説明者石橋暎壽君登壇)
◯説明者(石橋暎壽君)私からは二問についてお答えいたします。
まず、各種審議会や委員会の公開、傍聴についての御質問ですけれども、審議会や協議会等につきましては、県行政における施策の企画立案等に際し、県民や各種団体等の意見の反映、専門知識の導入などにおいて重要な役割を果たしているところであります。審議会等が新たな行政課題や県民の多様なニーズにより的確に対応できるよう、その設置、運営等に関し、新行政改革大綱における組織・機構の再編・整備の一つとして、今後、全庁的に見直しを行うこととしております。本年度は審議会等の実態調査を実施し、この調査結果をもとに審議会等の公正な審議運営の確保、透明性の向上、簡素・効率化等の観点から設置、運営に関しての見直し方針を策定してまいりたいというように考えております。
次に、男女平等に向けた取り組みに関する御質問のうち、部・課の再編に当たって女性施策を担当するセクションのあり方についてでありますけれども、本庁部・課の再編につきましては、現在、平成十二年度実施に向けて部の所掌事務、課の編成等について検討を行っているところでありますが、女性施策を担当するセクションのあり方につきましても、重要な検討課題であるとしているところであります。男女共同参画社会基本法の成立を受けまして、女性と男性が平等の立場に立って、あらゆる分野にともに参画する、いわゆる男女共同参画社会を実現するためには、職場、家庭、地域等、県民生活全般にわたって幅広く施策事業を展開していくことが必要であると認識しております。部・課の再編作業に当たりましては、このような観点に立ちまして検討してまいりたいというふうに考えております。
以上であります。
◯議長(
小川洋雄君)社会部長佐藤喜美子君。
(説明者佐藤喜美子君登壇)
◯説明者(佐藤喜美子君)千葉県における男女平等に向けた取り組みのうち、二点についてお答えさせていただきます。
初めに、男女共同参画社会基本法の明確な理念を実現させるために条例を制定すべきとの御質問でございますが、男女共同参画社会基本法が公布されましたが、この法律は男女共同参画社会の形成を促進するために都道府県が男女共同参画計画を策定いたしまして、国の施策に準じた施策、そしてまた地域の特性に応じた施策を実施することを義務づけておりますとともに、市町村に対しまして同様の計画の策定に努め、施策の実施に当たる責務について定めておるところでございます。このために県では引き続きまして、現在のちば新時代女性プランの着実な推進を図るとともに、今後、国が新たに策定いたします
基本計画を勘案いたしました男女共同参画計画の策定に向けて準備を進めるなど、施策を一層推進していこうというふうに考えております。条例の制定につきましては、国や他の都道府県の動向を把握いたしまして研究してまいりたいというふうに考えております。
次に、市町村の女性行動計画づくりの現状、また未策定市町村に対する対応についてでございますけれども、県では、これまで女性問題に対する理解を高めたり、行動計画の策定を促進するために、毎年度市町村に対しまして担当課長会議の開催や担当者の研修会、そしてセミナーの共催や計画の策定に対しまして支援を行ってきたところでございます。平成十年度末現在、女性行動計画を策定いたしております市町村は十七市でございます。このたび公布施行されました男女共同参画社会基本法は、市町村に対しまして国及び都道府県の男女共同参画計画を勘案した基本的な計画策定に努めなければならないというふうに先ほども申しましたが、こうなっておりますので、県といたしましては、市町村に対し計画策定に向け積極的に取り組むよう指導してまいりたいというふうに考えております。
それから、次に、東葛北部地域に県立の身体障害者療護施設を整備すべきとの御質問でございますけれども、各地域におけます身体障害者療養施設等の障害者施設につきましては、ちば新時代5か年計画に基づきまして入所需要などの実情を把握しております市町村、または一部事務組合、そして社会福祉法人、こういったようなところにより整備を進めることを方針といたしまして、
施設整備費や運営費、こういったようなものにつきまして国庫補助の上乗せ、そして、その他の県単補助、こういったようなものを行いまして、
施設整備の支援を行い、その促進を図っているところでございます。
県立施設はより広域性、専門性の高い基幹的・総合的な機能、こういったようなものを担うべきものと考えておりまして、現在は身体障害者の施設として千葉リハビリテーションセンター、そしてまた知的障害者の施設といたしまして袖ケ浦福祉センターを整備して、民間社会施設等への支援、こういったものを初めとして広域的な通所、それから入所、こういったような需要に対応いたしておるところでございます。県といたしましては、地域における身体障害者療護施設につきましては、地元の市町村の意向、こういったようなものを聞きながら整備の促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、介護保険につきまして三点お答えさせていただきます。
初めに、次期千葉県老人保健福祉計画の
見直し作業について、方針や今後の手順ということでございます。高齢者に対しまして計画的に保健福祉サービスの提供を図るための千葉県老人保健福祉計画は、平成六年度から十一年度までの六年間を計画期間としているものでございまして、十一年度が終期、終わりでございます。これを見直しまして、平成十二年度をスタートといたします計画を作成することといたしております。計画の見直しに当たりましては、介護保険導入に向けて作成されます介護保険事業支援計画と整合性を図る観点から、介護保険事業支援計画と同様に平成十二年度から十六年度までの五か年計画といたすものでございます。県といたしましては、老人保健福祉計画と介護保険事業支援計画を一体的に作成いたしますために、昨年十月、千葉県介護保険事業支援計画・老人保健福祉計画作成懇談会を設置いたしましたので、そちらの意見を聞きながら計画作業を進めておるところでございまして、当面、国が示しました老人保健福祉計画の見直しについての基本となる考え方に従いまして、介護保険事業支援計画にかかわる部分の作業を優先して行ってまいりたいというふうに考えております。
それから、次に、介護保険導入時に特別養護老人ホームに入所している者で、自立や要支援と認定された者は五年以内に退所することとなっておりますが、それに対する県の対応についてということでございます。介護保険導入時に特別養護老人ホームに入所している者で要介護に該当しない者につきましては、退所後の在宅での生活が円滑に行われるよう支援していくことが必要であると考えております。
そこで、県では入所措置を行いました市町村と連携をとりながら、特別養護老人ホームに対しまして入所者の個別の状況を踏まえて計画を作成し、これに基づきまして自立した生活に向けて処遇の充実や、そして退所後の在宅福祉サービスの利用の調整を図るよう指導してまいりたいというふうに考えております。
さらに、退所後の在宅での生活を支援するため、ホームヘルプサービス、デイサービス等のほかに、配食サービス等の介護保険給付対象外のサービスも含めました在宅福祉サービスの的確な提供を促進いたしますとともに、自宅での生活が困難な高齢者のためにはケアハウス、それから痴呆性老人グループホームなどが利用できますように市町村と連携して促進に努めてまいりたいと考えております。
最後になりますが、介護支援専門員の養成についての取り組みでございます。介護支援専門員は要介護者等に対します介護サービス計画の作成、それから、市町村からの委託によりまして要介護認定申請者への訪問調査を行うなど、制度上重要な役割を担うことになっておりますけれども、制度スタート時に県下で約二千名が必要と見込んでおります。現在、平成十年度実務研修受験試験合格者が二千百七十名になっておりますが、この人たちに対し六日間の研修を実施しているところでございまして、今後、七月末までに全員が研修を終了する予定でございます。また、実務研修を終了いたしました介護支援専門員のすべてが業務に従事するとは限りませんので、平成十一年度におきましても、七月二十五日に試験を実施することといたしておりまして、五千人を超える受験者の申し込みがあったところでございます。県といたしましては、実務研修を終了いたしました介護支援専門員につきまして、訪問調査員等の確保のため、市町村等に対しまして同意を得た方々の名簿を公開するほか、今後、国において決定される介護報酬の請求手続等について、さらに補修研修を行うなど、介護支援専門員の業務が適切に行われるよう、その養成に努めてまいりたいと思います。
以上でございます。
◯議長(
小川洋雄君)環境部長白戸章雄君。
(説明者白戸章雄君登壇)
◯説明者(白戸章雄君)ダイオキシン対策についての三問にお答えします。
まず、産業廃棄物の排出抑制についてでございますが、県では第五次千葉県産業廃棄物処理計画によりまして、産業廃棄物の発生抑制と減量化、再資源化を最重要課題として位置づけ、取り組んでいるところであります。具体的には、県の公共事業等で生ずる建設廃棄物や汚泥等についての再資源化、再生品の利用についての率先実施、それから、産業廃棄物を多量に排出する建設業者や製造業者に対する減量化や再資源化の指導などの取り組みを進めているところであります。今後も排出事業者、処理業者、市町村等との役割分担のもと、相互に連携を図りながら産業廃棄物の排出を抑制するための取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。
次に、生ごみの再利用への取り組みについてでございますが、生ごみを含むごみの減量化、再資源化については平成六年度に策定しましたごみの減量化と再資源化を進める
基本方針に基づきまして、その推進に努めており、県みずからも本庁舎内に生ごみ処理機を設置しまして再資源化を図っているところであります。また、市町村におきましても、生ごみのコンポスト化容器等の購入に対し助成を行うなどの取り組みが進められております。しかし、可燃ごみの三割を占める生ごみについては、リサイクルや再利用の手法等が大きな課題となっておりまして、県では本年三月庁内に設置いたしました生ごみの処理及び再生品の有効利用に関する研究会で肥料化等の研究を進める一方、本年度実施します
基本方針の改定作業の中でごみ処理を担当する市町村等の意見も踏まえながら、生ごみの発生抑制や再利用等の方策について検討することとしております。今後は新しい
基本方針に基づき、市町村はもとより県民や事業者の理解と協力を得ながら、生ごみの再資源化と有効利用の推進に努めてまいりたいと考えております。
最後に、ゼロエミッションの実現に向けての県民啓発についてであります。ゼロエミッションの実現のためには、生産から消費に至る各関係者の適切な役割分担のもと、使い捨ての経済活動を改め、循環を基調とする社会経済システムを実現することが必要でありまして、ごみの発生抑制及び減量化、再資源化の推進が最も重要と考えております。
そこで、県ではごみの減量化等に対する県民意識の高揚を図るため、一つとしまして、千葉県ごみ減量化推進県民会議を中心とした買い物袋持参運動などの全県的な普及啓発と実践活動の展開、二つとしまして、千葉県リサイクルの日県民運動及びゴミゼロ運動の推進、三つとしまして、廃棄物情報技術センターにおける情報提供や公開講座の開催などを行っているところであります。今後も資源循環型社会の構築を目指し、子供のころからものを大切にする習慣やリサイクルへの理解を深める環境学習を推進するとともに、市町村及び関係団体と連携し、ごみの分別排出の遵守、簡易包装の奨励、再生品の利用などの身近な取り組みの普及を図り、ごみの一層の減量化に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯議長(
小川洋雄君)
湯浅和子君。
◯湯浅和子君 御答弁ありがとうございました。何点かの質問と御要望をさせていただきます。
まず、県民参加の県政についてですが、御答弁の中で、今後、実態調査をして公平で透明な県政を目指していくということですし、またこの問題につきましても、要綱なども検討しながらということでございますので、前向きな御答弁として考えています。
さらに、これは要望になりますけれども、私はその中にいわゆる公募というものを制度化していただきたいのです。公募制です。県民の方々にいろいろな審議会、協議会、委員会、そういうところにどうぞ市民の方々も一緒に考えてくださいという公募制の制度化をぜひ行ってください。これはもう先進的な自治体では取り組まれておりますので、よろしくお願いいたします。
二番目の千葉県の男女平等に向けた取り組みについてでございます。私は女性の部長さんから御答弁をいただいたのは初めてでした。大変うれしく思います。ありがとうございました。それで、この件に関しては部長さんの御答弁で、条例化については他の動向を見てからというお話があったのですが、私はそれを伺ったときに、かつて女性行動計画をつくるというときに県に要望した折にも、やはり一番初めにはそういう答弁からスタートいたしました。いつまでも似ているなという感じがしているわけですけれども。
せんだっての私たちの黒野議員の御質問に対して知事の御答弁──男女共同参画社会基本法は大変重要なものであるという知事の認識を御答弁としてお伺いいたしました。であるならば、私は他県の動向を見るというだけではなくて、やはり積極的にこの件について条例化をしていくべきであるというふうに思いますし、また、先ほど部長さんも御答弁の中に区域の特性に応じた施策という文言がございました。やはりそれらを視点にした男女共同参画社会基本法のための条例、それは千葉県の中でまだ行動計画ができていない市町村、できてもそれをどうやって展開していいかわからない市町村、そういうところに対しても、これは大きな後押しになる、核となる条例になるはずです。私はそういうことを考えて、もう一度この条例についての設置方について御答弁をいただければというふうに思います。
それから、四番目の東葛地域における身体障害者療護施設、県の建設をというふうにお願いいたしました。確かに私たちも自分の住むところで法人立も視野に入れながら、この問題についてはいろいろな角度で建設していこう、いろいろな人たち、市民の人たちを巻き込んでやっていこうということで運動を進めてまいりました。先ほどの御答弁にもありましたけれども、これはリハビリですとか、医療ですとか、いろいろな要素を加味していかなければ建設ができません。ですから、今日まで東葛北部にはなかったわけです。どうぞそのあたりを考慮されて、それでは、なかなかそういうふうにできない自治体に対して今後どうやってやっていきなさいというふうに御指導なさるのか、この問題についても御答弁ください。
それから、ダイオキシン対策についてですけれども、私はこの間の代表質問のお話を伺って、産業廃棄物あるいは一般廃棄物、これらのこれから減量化に向けての県の姿勢というものはわかりましたつもりです。でも、ここでお話ししましたように、ダイオキシンというのは今本当に抜き差しならないといいますか、危険な状況のところにあるということだけは、これは私たち、行政、双方できちんと確認しておかなければならないことだと思います。とすれば、今新たに国が制定することを待つのではなくて、県独自で何かの先進的な取り組みをすることはできないのだろうか。例えば、私たちの手元には、これだけ県が一生懸命やってくださっているのに、残念ながら県が取り組んでいるいろいろな施策が私たちの家庭の中までなかなか伝わってこないのです。それはなぜなんだろうと思っています。だから、そういうことを分析して、もっともっと県は、例えば産業廃棄物で言えば、プラスチック系が大変だということになっています。それらを使わないということを県民の皆さんに訴えたらいかがでしょう。
リターナブルという言葉があります。つまり、何度も何度も繰り返して使う。それは商品としてはリターナブル瓶がありますけれども、私たちはそういうことの生活スタイルをつくっていきましょう、そんなふうに県からそれらについて発することができないのか。あるいは今までやっていることがあったとすれば教えていただきたいと思います。これも御質問に添えてください。
そして、介護保険制度についてです。一つだけお伺いいたします。──二つありました。老人ホームから退所しなければならない方たちなのですが、実は自宅がない方、既に入所されていても自宅がないという人たち、この問題が一番大きいかと思います。グループホームやあるいはシルバーハウジングももはや満杯です。東京都ではそのために住宅を整備するというふうなニュースが伝わってまいりましたが、千葉県ではそのあたりいかがでしょうか。
それから、介護支援専門員ですが、介護保険制度では、この介護保険専門員の役割がいかに大きいか。この介護支援専門員によって、介護保険がよくもなる、悪くもなると言われておりますから、私はこの方たちが、今後、質的にというのはちょっと言葉が適正ではありませんかもしれませんが、よりよい介護支援専門員になっていくためには、どういう研修をなさっていくのか、そのことをお尋ねしたいと思います。
以上です。
◯議長(
小川洋雄君)社会部長佐藤喜美子君。
◯説明者(佐藤喜美子君)初めに、男女平等の関係の条例設置に向けてお答えさせていただきます。
私どもといたしましては、他の都道府県の方の状況については、行政としては把握すべきものだと考えております。決してそちらの方のものに合わせてということではございません。そして、こちらの方でございますが、千葉県の場合には、基本法が成立したばかりでございます。国の基本法の内容もまだ不明でございます。そういったようなことから、しばらく時間をいただいて研究してまいりたいというふうに考えております。
二番目でございますが、東葛飾北部の地域の施設の件でございます。県といたしましては、今度とも各地域における
施設整備、これはやはり地域の入所需要等の実情を把握いたしております地元市町村が一番わかっておりますので、地元市町村といろいろ協議を重ね、そして進めてまいりたいというふうに考えております。
それから、三番目でございますけれども、老人ホームのことでございます。こちらの方、確かに自宅がない方に対しましての対応が大変重要だというふうに考えております。今後、市町村ともその辺につきまして協議を重ね、整備や体制等につきまして研究していきたいというふうに考えております。
それから、介護支援専門員の関係でございますけれども、専門的な事項にわたりまして六日間という日程をとっておりますけれども、中でも事例的なもの、それから実践的なもの、これの研修を重点におきまして現在実施しておりますし、今後も継続的に実施していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯議長(
小川洋雄君)環境部長白戸章雄君。
◯説明者(白戸章雄君)ごみの発生抑制、減量化、再資源化は資源循環型社会を構築する上からも大変重要なことだと認識しておりまして、今までもあらゆる機会を通じて訴えておりましたが、今後とも引き続き強く訴えてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
◯議長(
小川洋雄君)
湯浅和子君。
◯湯浅和子君 三回目になりますので、要望とさせていただきます。
男女共同参画基本法につきましては、条例化に向けて前進的に御答弁をいただいたというふうにとらえていきたいと思います。
それから、介護保険支援専門員の問題でございますが、介護支援専門員の問題については、研修からすべて県が責任を持つということになっております。なぜ県に位置づけられたかといえば、そのことについては、市町村ではやっぱりやり切れない、もっと県が主体的にといいますか、県がこのことをしっかりととらえて、よりよい研修というものを繰り返し、繰り返しやっていただきたいということだというふうに思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
◯議長(
小川洋雄君)暫時休憩いたします。
午前十一時三十分休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後一時一分開議
◯副議長(篠田哲彦君)休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により密本俊一君。
(密本俊一君登壇、拍手)
◯密本俊一君 佐倉市選出、自由民主党の密本でございます。通告順に従いまして順次質問させていただきます。
まず、利根川・印旛沼総合開発事業について伺います。
印旛沼は周囲を佐倉市や印旛村など七つの市町村に囲まれ、その流域面積は約五百四十平方キロメートル、湖面の面積は約十一平方キロメートルに達する北総地域のみならず、本県を代表する自然豊かな水辺空間を有しております。この印旛沼も近年は流域の市街化が進行し、水質の悪化が進み、平成九年度のCOD値は一リットル当たり十二ミリグラムと全国ワースト二位の水質となっております。また、平成八年九月には台風十七号による大雨により、佐倉市街地で浸水被害が発生し、沼の周辺でも広大な農地が湛水したことは記憶に新しいところであります。
さらに、平成八年は渇水に見舞われた年でもあり、利根川水系で最大三〇%の取水制限が行われました。県においても水質の改善や浸水被害を軽減させるために、沼及びその周辺でさまざまな取り組みをしておりますが、これらの問題を解決する中心的な事業として、現在、建設省で調査が進められている利根川・印旛沼総合開発事業に大きな期待が寄せられています。この事業では、かつての美しい印旛沼を取り戻し、沼の流域の水害を軽減させ、安定した都市用水を確保することなどを目的にしており、建設省では建設着手に向けてさまざまな調査を実施していると聞いております。この事業が印旛地区の発展に大きな役割を果たすものと思われることから、私も常に関心を持ってこの事業の進捗状況を見守っているところであります。
そこで、次の点について伺います。
利根川・印旛沼総合開発事業における平成十一年度の国の調査内容はどのようなものか。また、今後の見通しはどうかお伺いいたします。
次に、印旛沼の揚排水施設の改修について伺います。
印旛沼開発事業は周辺農地の洪水排水と戦後の緊急干拓事業を目的として昭和二十一年に事業着手し、その後、周辺耕地の水不足を解消するための農業用水と京葉工業地帯の工業用水の水源としての機能を加え、昭和四十四年に事業が完了したものであります。以来、印旛沼は本県の貴重な水がめとして、周辺住民はもとより、本県の発展に大きく寄与してきているところであります。
しかしながら、この事業により整備された施設のうち、印旛機場、大和田機場、酒直機場などの施設は完成後三十年余り経過しており、老朽化による影響が心配されております。施設を管理している水資源開発公団では、平成七年度から三カ年をかけて施設の機能調査を実施しましたが、その調査結果でも、機能の低下が著しく、通常の維持管理での対応に限界が来ているとのことであります。仮にこのままの状況が続くことになれば、安定的な用水の供給や大雨のときに十分な排水ができるのか懸念される状況であり、水資源開発公団においてポンプ施設の改修等必要な対策を講じる時期に来ていると感じております。また、昨年七月には、印旛沼の周辺十二市町村長から知事に対し、改築事業の早期実現を求める要望書が提出されており、関係者の期待も大きいものがあります。
そこで、次の点について伺います。印旛沼の揚排水施設の改修について、県は現在どのように取り組んでいるのか。また、今後の見通しはどうか。
次に、農業問題について伺います。
その第一番目として、国営かんがい排水事業印旛沼二期地区について伺います。
本県農業は農業粗生産額で平成六年度より全国第二位の地位を占めております。これは農業者の方々の長年にわたる御努力はもちろんのこと、
関係機関が一体となって農業・農村の整備に取り組み、着実な進展が図られたことによるものと考えております。近年、農業・農村を取り巻く環境は急速な国際化などにより一段とその厳しさを増しておりますが、国においては、農業・農村が抱えるさまざまな課題に対応するため、昨年十二月、農政改革大綱を策定しております。また、この改革のかなめであり、基本的な農業政策の理念を定める新たな農業基本法として、食料・農業・農村基本法案が今国会において審議されております。このような中にあって、本県が今後とも農業生産県としてトップクラスの地位を不動のものとしていくためには、農業・農村整備事業のより一層の推進を図ることが重要であります。
印旛沼はかつて「あばれ沼」と呼ばれ、周辺河川のはんらんにより周辺耕地はもとより、人命、財産にも大きな被害をもたらしました。昭和二十年代、印旛沼開発事業により沼の干拓とあわせ、干拓地を含む六千三百ヘクタール余のかんがい排水施設の整備が行われた結果、
周辺地域の湛水被害の解消とともに、安定した用水の確保が図られたことから、沼
周辺地域は県下でも有数の水田農業地域として発展を遂げてまいりました。
しかしながら、本地域の基幹施設であるこれらのかんがい排水施設は事業完了後二十五年以上経過しており、都市化の進展による能力不足や老朽化に伴う機能低下が危惧されているところであります。このため国では、
地元関係者の強い要望を受けて、平成三年度から印旛沼地域のかんがい排水施設の抜本的な見直しに向けての調査を開始し、平成八年度には国営かんがい排水事業印旛沼二期地区として
基本計画が策定されました。その後、平成九年度には全体実施設計地区として採択され、施設の機能及び将来の施設管理の面などから詳細な検討をしたところ、
基本計画の一部が見直しされたと聞いております。
そこで伺います。国営かんがい排水事業印旛沼二期地区の全体実施設計において見直された計画の内容と今後の予定はどのようになっているのか。
農業問題の第二は、米の生産調整についてであります。
千葉県の稲作の特徴は温暖な気候を利用した早期栽培で、沖縄や宮崎県に次いで八月中旬から新米を供給できる全国屈指の早場米産地となっております。米の需給と価格の安定を図るため、生産調整が農業者を初め農業団体等の大変な御努力によって取り組まれております。平成十年度の緊急生産調整推進対策の実施状況は、全国的にはほぼ達成したが、本県においては八三・九%の達成率であったと聞いております。本県における生産調整の未達成要因については、目標面積が急増したこと、湿田が多く、転作作物の生産が困難な地域が多いことのほか、本県の稲作の特徴である早場米産地ゆえのつくれば売れるといった一部農業者の自負心があるのかもしれません。
しかしながら、米の需給と価格の安定を図るためには、今後とも全国の農業者が協力して着実に生産調整を実施することが重要であります。このため本県の大多数の農業者が大変な御努力によって生産調整に参画していることや、全国の農業者が大変な思いで生産調整を達成していることを考えれば、県並びに関係農業団体はすべての農業者が主体的に参加できる環境づくり、例えば、転作のための条件整備の強化や米より魅力ある転作作物の産地づくりを一丸となって推進する必要があると思うものであります。とりわけ県当局においては、生産調整の推進に関する農林部各課の連携をより一層強化することはもとより、試験研究・農業改良普及組織を挙げて積極的な転作作物の産地づくりを願うものであります。
そこで、次の二点について伺います。
第一点目として、本県における平成十一年度の緊急生産調整推進対策の進捗状況はどうか。
第二点目として、平成十一年度の緊急生産調整推進対策を推進するため、県はどのような施策を講じているのか。
次に、国立病院・療養所の再編成計画の見直しについて伺います。
国立病院・療養所は国民の健康に重大な影響のあるがん、循環器病、腎疾患等の分野や神経・精神疾患の分野における高度先駆的医療及び他の設立主体では対応困難な領域に対する医療、また難治性の免疫異常、代謝性疾患、エイズ並びに原因の究明及び治療法の確立の急がれている難病等を克服する医療など、国民の健康問題に対応した専門的医療の提供体制を整備、充実してきております。しかし、第二次臨時行政調査会の最終答申を受けた昭和五十九年行革大綱では、国立医療機関の機能の明確化を図り、今後の国立病院・療養所の整理合理化、整備運営方針を作成することが閣議決定され、その後、再編成の推進が図られているところであります。
昭和六十一年には、国立病院・療養所の再編成計画が策定され、その計画に基づき国立病院・療養所の統配合等が行われていると聞いており、私の地元にある国立佐倉病院は国立病院における腎疾患医療の先端医療施設であり、再編成計画の対象にはならないものと認識しておりました。ところが、国は事前に県や地元に相談もなく、今年三月十八日に国立佐倉病院も対象とした国立病院・療養所の再編成計画の見直しを公表しました。国立佐倉病院は明治七年に創設以来、地元の佐倉市を中心に、地域の公的中核病院として医療の発展に大きく貢献し、長期にわたり地域医療に重要な役割を果たしており、事前に相談のない突然の見直しの公表はまことに遺憾であります。
そこで、次の二点について伺います。
第一点目として、ことし三月に国が公表した国立病院・療養所の再編成計画の見直しはどのようなものか。
第二点目として、国立佐倉病院の見直しについて県はどのような対応をしたのか、お伺いいたします。
次に、ごみ処理対策について伺います。
我が千葉県内から排出されている一般廃棄物、すなわちごみの総量は平成九年度でおよそ二百十四万トンに上っており、容積にすると幕張のマリンスタジアム八杯分に匹敵するとのことであります。これは物の豊かな時代の反動として使い捨てというライフスタイルが招いた現象でありますが、増大するごみの排出量と質の多様化など、日々の新聞に関連記事が掲載されないことがないほど深刻な社会問題となっております。このため今後の一般廃棄物処理に当たっては、その排出抑制やリサイクルを進めることはもとより、市町村の処理過程においても可能な限り資源として再活用を図っていくことが重要であります。また、ダイオキシン類の発生源として市町村の一般廃棄物の焼却炉からの発生量が全体の約八割を占めているとも言われていることから、その対策にも万全を期していく必要があります。
これらの諸問題に対処していくためには、さきに我が党の代表質問に対する答弁にもありましたように、エコセメントや溶融などの新しい技術を活用しながら、ごみ処理施設の広域的な整備を促進するごみ処理広域化計画の推進を図ることが急務と考え、その積極的な推進を願うものであります。
ここでごみ焼却施設の建設費について触れてみますと、約十五年ほど前に私の地元の佐倉市・酒々井町清掃組合が焼却施設の建設をしたころの事業費は、処理能力一トン当たり二千万円程度でありましたが、最近、施設建設を行った市町村では、ダイオキシン類対策等の高度な環境保全対策を講じる必要もあることから、五千万円から八千万円程度になっていると言われております。現在、市町村がごみ焼却施設を新たに建設する際には、厚生省から補助対象となる事業費に対して、一般地域で四分の一、公害防止計画区域で二分の一の補助金が認められることとなっているものの、市町村の財政負担はますます増大しているのが実情であります。
さらに、最近では、ごみ焼却施設の整備に当たり焼却灰を溶融しスラグ化する新技術等を導入し、一層の環境保全や再資源化を図っているとのことでありますが、反面、産出された溶融スラグが建設資材として規格化されていないことや、コスト面などからいまだ利用先が確保されていない状況と聞いております。溶融スラグが有効利用されずにそのまま埋め立て処分されるようであれば、市町村にとってはスラグ処理コストに埋め立て処分料が加算され、一層の負担増を招くことが危惧されるところであります。県においては、ごみ処理の広域化を推進するためにも、これら当面する課題に的確に対応されることを強く期待するものであります。
そこで伺います。
第一点目として、広域的なごみ焼却施設等の整備に伴う市町村の財政負担の軽減を図るため、県はどのような支援をしていくのか。
第二点目として、溶融スラグの有効利用を促進するため、県はどのような取り組みをしているのか。
次に、河川問題について伺います。
印旛地域を流れる鹿島川は千葉市緑区に源を発し、途中で高崎川を合流し、印旛沼に流れ込む河川であります。この河川は佐倉市など四市二町を流域とし、二百五十平方キロメートルの県内第四位の流域面積を有する河川であります。その流域はかつてはほとんどが農地や山林であり、流域における保水機能が高かったため、台風などによる大雨のときにおいても浸水被害を引き起こすというようなことはほとんどありませんでした。しかし、近年流域の著しい開発により、鹿島川はもとより、支川高崎川の、特にJR佐倉駅周辺では都市型水害が発生している状況であり、
地域住民にとっては極めて深刻な問題となっております。
県当局においては、現在、鹿島川については鋭意
用地買収の促進を図り、河川の流下能力の確保を図るため、下流部から飯野竜神橋までの改修工事を実施されております。また、高崎川については平成十年度から
用地買収を進められていると聞いております。河川改修には莫大な事業費と長い歳月を要することから、現在の厳しい財政事情の下、大変とは思いますが、一刻も早く治水の安全度を高め、流域に暮らす人々が安心して生活できるよう、さらなる事業の推進をお願いし、一日も早い河川改修の完了を強く望むものであります。
そこで伺います。
第一点目として、鹿島川の河川改修事業の進捗状況はどうか。
第二点目として、高崎川の河川改修事業の見通しはどうか、お伺いいたします。
次に、道路問題について要望いたします。
佐倉市は千葉県の北部の広大で緑豊かな下総台地の中心部に位置し、工業団地の整備や宅地開発が進み、佐倉市の人口は今や十七万人を超えるに至っております。また、我が国の空の表玄関である
成田空港や計画的な都市整備が進む千葉ニュータウンに近接していることから、市内の道路は朝夕のみならず、激しい
交通渋滞を来しております。特に、佐倉市域を南北に縦断する国道五十一号は、県都千葉市と
成田空港を結ぶ基軸となる幹線道路の一つであり、本県の経済社会活動のみならず地域の生活を支える極めて重要な道路であり、こうした中で本道路の果たす役割は、今後、ますます高まってくると思われます。こうしたことから、円滑な
交通の確保と地域間の交流促進及び連携の強化を図るため、佐倉市域における四車線化の早期実現を国へ積極的に働きかけるよう要望いたします。
次に、教育問題について伺います。
昨今、障害者が障害を持たない者と同等に生活し、活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念の下、障害者の完全参加と平等に向けてさまざまな施策が行われております。障害のある人々を取り巻く環境には、物理的な障壁や意識上の障壁など、さまざまな障壁がありますが、私たちはこれらの障壁を取り除き、障壁のないバリアフリーの社会づくりを推進していかなければなりません。私は障害の種類や程度にかかわらず、障害のある人と障害のない人が
地域社会の中でともに学び、働き、生活することが大切なことと考えております。このために障害がある児童生徒については、将来、社会参加をなし遂げ、自立する力を高めるために社会への適応能力を身につけさせなければなりません。
一方、障害のない児童生徒については、障害がある児童生徒に対する差別や偏見、誤解をなくし、障害がある児童生徒を理解し、やさしさや思いやりの心を育てることが必要なものと考えます。さらに、意識上の障壁を軽減し、取り除くこと、すなわち心のバリアフリーを推進する意味からも、障害がある児童生徒と障害のない児童生徒がともに活動し、互いに触れ合う機会を設けることは、すべての児童生徒にとって豊かな人間性や社会性をはぐくむ上で大きな教育的意義があるものと思われます。このことは
地域社会の人々にとっても、障害のある児童生徒の理解や障害児教育に対する正しい認識を深める上で極めて重要なことであると考えます。
また、心身に障害のある生徒の中には、義務教育を終えた後に公立高等学校で学びたいという希望を持っている生徒もおります。公立高等学校に在籍し、高校生活を送っている生徒もいると聞いております。心身に障害のある生徒が公立高等学校への進学を希望しても、高校入試というハードルを越えていかなければなりません。障害のある生徒はそれだけでハンディを背負っているわけでありますので、通常の受験方法では受験できない場合の受験上の配慮や、学力検査の結果や調査書だけではなく、それ以外の資料を活用した選抜など、いろいろな観点からの配慮が必要と考えます。
そこで伺います。
第一点目として、学校教育において障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が互いに触れ合う機会をどのように設けているのか。
第二点目として、公立高等学校入学者選抜においては、障害のある生徒の受験に当たってどのような対応をしているのかお伺いいたしまして、質問を終わらせていただきます。(拍手)
◯副議長(篠田哲彦君)密本俊一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事沼田武君。
(知事沼田 武君登壇)
◯知事(沼田 武君)密本俊一議員の御質問にお答え申し上げます。
私はまず第一点として、利根川・印旛沼総合開発事業における平成十一年度の調査内容なり、見通しについてお答え申し上げます。
利根川・印旛沼総合開発事業は、これまで建設省より実施計画調査が行われてきたところでございますが、平成十一年度はしゅんせつ土砂の利用計画などの検討を行うとともに、引き続き沼の環境保全調査を実施することにいたしております。今後、水質浄化計画及び治水、利水等についてさらに調整を図った後、河川法の手続に従いまして地域の意見を反映させるとともに、
関係市町村長等の意見を聞き、
基本計画が策定される予定と伺っております。県としても、この事業が印旛沼の総合的な整備が進む上で非常に重要なものであることから、庁内の連絡調整をさらに円滑に進めるため、本年三月に利根川・印旛沼総合開発事業庁内連絡協議会を設置したところでございます。今後とも本事業が早期に建設着手されるよう、国に働きかけてまいりたいと考えております。
次に、ごみ処理問題としての広域的なごみ焼却施設等の整備に伴う市町村の財政援助の問題でございますが、県としては、従来から市町村におけるごみ処理施設の整備に伴う財政負担の軽減を図るために、国に対して補助率の引き上げや補助対象範囲の拡大等について要望するとともに、国庫補助に上乗せして県費補助を行ってきたところでございます。特に県費補助制度については、平成八年度に市町村の負担軽減に向けた見直しを行ったほか、平成九年度にはダイオキシン緊急対策にかかわる県単補助を創設するなど、その充実を図ってきたところでございます。今後も市町村等による広域的なごみ処理施設の整備に当たりましても、これら既存の補助制度はもとより、国が新たに創設いたしました環境調和型
地域振興施設整備事業、また民間資金活用型社会資本整備事業などの有効な活用を図るとともに、二つ目には、広域化に伴う既存施設の中途廃止等に際しまして補助金の返還が不要となるような特例措置の適用を国に働きかけていくことにいたしております。このような措置をしながら、引き続き市町村を応援してまいりたいと思っております。
他の問題は担当部局長から御答弁申し上げます。
◯副議長(篠田哲彦君)企画部長今泉由弘君。
(説明者今泉由弘君登壇)
◯説明者(今泉由弘君)印旛沼の揚排水施設について一点お答えいたします。
印旛沼の揚排水施設の改修について、県の取り組みと今後の見通しでございます。印旛沼の揚排水施設につきましては、利水及び洪水調節面など重要なものと認識しているところでございます。県では水資源開発公団からの印旛沼開発施設機能調査の報告を受けまして、庁内の関係部局で構成いたします検討委員会を平成十年十一月に設置いたしまして現地確認を実施するとともに、事業費の精査等を行ってきたところでございます。今年度は検討委員会でのこの議論を踏まえまして、改築の方策、工程及び事業費の負担方法等について、国、公団等と十分に協議し、事業の推進に向け努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯副議長(篠田哲彦君)衛生部長加藤恒生君。
(説明者加藤恒生君登壇)
◯説明者(加藤恒生君)国立病院・療養所の再編成計画の見直しにつきましてお答えいたします。
国は国立病院・療養所の再編成計画の見直しを行い、国の政策医療としての国立病院・療養所の機能を明らかにするとともに、全国的な政策医療のネットワークを構築することとし、新たに十二の再編成対象施設を含む計画を本年三月十八日に公表したところでございます。再編成計画の見直しに伴う本県に関係する施設といたしまして、国立療養所千葉東病院と国立佐倉病院を千葉東病院の地で統合し、全国で一カ所の腎疾患の高度専門医療施設として整備する計画となっております。
次に、県の対応でございますが、県は国の公表を受けまして、国立佐倉病院の再編成に当たりましては、まず一つとして、国立佐倉病院は創設以来、
地域住民の健康増進に大きく寄与していることから、地域の医療水準の低下を招くことのないよう、地元の意向を十分把握した対応を図るよう、二つといたしまして、国立佐倉病院は県内における腎疾患の高度な医療において大きな役割を担っておりますことから、統合後の病院において、さらにその機能が強化されるよう国に申し入れを行ったところでございます。今後とも、国の動向を見守りながら佐倉市等と十分連携を図って対応していきたいと考えております。
以上でございます。
◯副議長(篠田哲彦君)環境部長白戸章雄君。
(説明者白戸章雄君登壇)
◯説明者(白戸章雄君)ごみ処理対策のうち、溶融スラグの有効利用の促進についてお答えいたします。
資源循環型社会の構築に向けまして、溶融等の新技術の導入が進んでいる中で、新たに産出される溶融スラグ等の利用促進が今後の大きな課題であると認識しております。そのため本県では、一つとして、平成八年三月、国に先駆けて千葉県溶融スラグ利用促進指針を策定するとともに、モデル事業として試験的に県の単独工事にスラグを利用していること、二つとして、平成九年度にはスラグが市場で円滑に流通するための課題等を検討する溶融スラグ市場流通調査を実施したこと、三つとして、国が平成十年度に設置したエコスラグ利用普及に関する調査研究会に職員を参画させ、研究の推進に努めていることなどによりまして、スラグの利用促進に取り組んできたところでございます。今後とも、県はもとより市町村に対しても溶融スラグの一層の利用を働きかけるとともに、市場に流通させるため、国に対しても溶融スラグの早期JIS化について強く要望するなど、スラグの利用促進に積極的に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯副議長(篠田哲彦君)農林部長齊藤市衞君。
(説明者齊藤市衞君登壇)
◯説明者(齊藤市衞君)私からは農業問題について三点の御質問にお答えいたします。
まず、国営かんがい排水事業印旛沼二期地区の全体実施設計の見直しの内容と今後の予定についての御質問でございますが、国営かんがい排水事業印旛沼二期地区は平成九年度から国において用水計画などについて詳細な検討を行ったところ、施設計画が大幅に見直されたところでございます。内容としましては、排水計画につきましては変更はないものの、用水計画におけるかんがい方式が環状パイプラインから樹枝状──樹の枝のようなという意味でございますが、樹枝状パイプラインに変更となりまして、揚水機場は八カ所から五カ所となったところでございます。国では平成十二年度に事業計画の策定に向けた
関係機関等との協議・調整を行い、さらには、土地改良法の諸手続を経て、平成十四年度には工事に着手する予定と聞いております。県としましては、土地改良区や
関係市町村等との連携をとりながら、国営かんがい排水事業印旛沼二期地区が早期に着工できるように国に働きかけますとともに、関連する県営事業につきましても、事業化に向けて検討してまいりたいと考えております。
次に、本県における平成十一年度の緊急生産調整推進対策の進捗状況についてのお尋ねでございますが、平成十一年度の緊急生産調整推進対策は国産米在庫を百五十万トンから二百万トンの範囲とする適正備蓄水準まで縮減することを目指しまして、全国の生産調整目標面積を十年度と同様の九十六万三千ヘクタールとしまして、本県には二万七千八百四十七ヘクタールの目標面積の配分があったところでございます。しかしながら、本県におきましては、密本議員から先ほどご指摘がございましたとおり、一つには、生産調整目標面積が過去最大となっていること、二つには、湿田が多く、転作作物の安定生産が困難な地域が多いこと、三つには、需要が高い良質早場米の産地であるため、稲作意欲が極めて強いことなどの問題がございまして、厳しい推進状況となっておるところでございます。このため県では農業者に対しまして、米の需給と価格の安定を目指す生産調整の趣旨の周知・徹底を図りますとともに、農業団体と連携しまして、未達成市町村の解消と達成率向上に努めておるところでございます。
次に、平成十一年度の緊急生産調整推進対策を推進するための県の施策についての御質問でございますが、県としましては、農業者や営農集団が主体的に生産調整を実施できるよう国の生産調整施策に加えまして、県単独補助事業によりまして、一つには、愛情いちばん・ふるさと産品づくり運動で認定されました野菜や花など、転作作物の産地化への誘導、二つには、転作のための客土や農業機械の導入等への支援、三つには、農業者が取り組みやすい転作作物としてのレンゲ、ヒマワリ、コスモスなどによる美しい農村景観づくりの推進など、十事業の施策を講じておるところでございます。今後とも生産調整の円滑な推進を図るために、県で作成しました「田植えの後に実施できる指導者用推進マニュアル」を活用しまして、
関係機関、団体一丸となって、地域の特性に応じた取り組みを行ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯副議長(篠田哲彦君)
土木部長武藤和宏君。
(
説明者武藤和宏君登壇)
◯説明者(武藤和宏君)河川問題についてお答えします。
最初に、鹿島川の河川改修事業の進捗状況についてでございますが、鹿島川につきましては、印旛沼から高崎川合流点までの二・七キロメートルを改修することとしておりまして、平成三年度から事業に着手しているところでございます。事業の進捗は平成十年度末までに約七六%の用地を取得しているところでございます。平成十一年度は引き続き用地取得を促進するとともに、最下流部の飯野竜神橋のかけ替えを平成十二年度完成を目指して実施しているところでございます。今後とも
関係機関などと調整を図りつつ、事業促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、高崎川の河川改修事業の見通しについてでありますが、高崎川の改修につきましては、平成八年九月の台風十七号による被害を契機といたしまして、緊急的に県単独事業で河道内の掘削及び堤防のかさ上げを鹿島川合流点からJR橋梁までの二・六キロメートルについて実施してきたところであります。また、平成九年度に高崎川の改修計画を策定し、鹿島川合流点から寺崎都市下水路までの一・三キロメートルについて河道を拡幅することとし、平成十年度から
用地買収の促進を図っているところであります。今後とも地元市など
関係機関等と調整を行い、事業促進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯副議長(篠田哲彦君)教育長中村好成君。
(説明者中村好成君登壇)
◯説明者(中村好成君)教育問題についてお答えいたします。
最初に、学校教育において障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が互いに触れ合う機会をどのように設けているのかとのお尋ねです。障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が交流することは、障害児の理解を深めるとともに、交流することで互いに幅広い体験を得て視野を広げることによりまして、豊かな人間形成を図ることができるものと考えております。このためすべての盲・聾・養護学校と小学校、中学校、高等学校が一緒に発表会などの学校行事を通して触れ合ったり、作品交換などを行っております。また、特殊学級においては授業交流はもちろん給食や清掃活動など、日常生活における交流も行っております。また、今回告示されました小学校、中学校、高等学校の新学習指導要領には、新たに「障害のある幼児・児童生徒や高齢者などとの交流の機会を設けること」が明記されたところであります。私どもといたしましては、交流教育がより一層推進され、充実するよう学校に対して引き続き指導してまいりたいと考えております。
次に、公立高等学校入学者選抜において、障害を持つ生徒の受検に当たってどのような対応をしているのかとのお尋ねです。入学者選抜につきましては、国の通知等において選抜方法の多様化や評価尺度の多元化が求められておりまして、本県におきましても、これらの趣旨を踏まえまして改善を図っているところであります。障害を持つ生徒の受検に当たりましては、障害を持つことによって不利益な扱いをしないこととし、通常の方法では受験困難な生徒に対して、障害の状況に応じた受検上の配慮を講ずることができることになっています。具体的には、車いすでの受検、ルーペの使用や検査問題等の拡大、ヒアリングテストにおけるボリュームの配慮と補聴器の使用、必要に応じて介助者による代読、代筆、あるいは別室での受検などの措置を講じてきております。また、平成十一年度の入学者選抜から、障害を持つことによって生ずる事柄を説明するために、自己申告書を提出できることといたしました。入学者選抜につきましては、今後とも千葉県公立高等学校入学者選抜方法等改善協議会などの協力を得ながら改善を図ってまいりたいというふうに考えています。
以上でございます。
◯副議長(篠田哲彦君)密本俊一君。
◯密本俊一君 知事さん初め
関係部局長さんのそれぞれの質問に対して丁重な答弁ありがとうございます。今後とも継続して事業化しなければならない問題もありますので、ひとつよろしくお願いいたしまして、終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
◯副議長(篠田哲彦君)次に伊藤勲君。
(伊藤 勲君登壇、拍手)
◯伊藤 勲君 本日の予定最後の質問をさせていただきます。印旛郡選出、自由民主党の伊藤勲でございます。私は
成田空港に関する諸問題を中心に、
周辺地域の要望事項を含めながら、以下、通告順に従いまして質問させていただきます。
成田空港の問題に関しましては、我が党の代表質問をされました成尾議員、そして本日トップバッターを務めました
伊藤丈議員も同じような内容で質問されておりますし、皆さん方におかれましても、
成田空港問題はもう聞き飽きたというようなところもあろうかと思いますが、千葉県の沼田県政が進めておる新産業三角構想の中の一極に据えられておる重要な問題でございますので、私としてはぜひとも質問させていただきたい。また、重複する点も多々あろうかと思いますが、御容赦いただきたいというふうに思います。
まず最初に、
成田空港周辺地域振興計画についてお伺いさせていただきます。
この振興計画は
空港周辺地域の十四市町村が対象地域でございまして、主には生活環境整備あるいは産業の継続的な育成を図るという二つの面から成り立っておりまして、基本的には
成田空港と共生する
地域振興の具体的な方策を取りまとめたと言われております。成田
空港周辺地域にとりましても、この中に盛り込まれております各計画は極めて重要な将来の施策のプログラムでございまして、そういった意味では早期に事業が展開されますことを常日ごろから願っておるものでございます。
私は
成田空港に隣接する富里町の議会議長といたしまして、四年間、
成田空港周辺の十一市町村議会で構成します
成田空港周辺市町村議会連絡協議会の会長を本年三月まで務めさせていただきました。そういった中でともに仕事をする中で、それぞれの地域の抱えている深刻な問題等を十分知り得ましたものですから、ぜひともひとつこの際、事業の促進についてお考えをいただきたいということをお願いするわけでございます。
この連絡協議会でございますが、
成田空港周辺地域振興計画の推進を図るということを目的にいたしまして昭和五十三年に設立されたものでありまして、各市町村議会にも空港対策特別委員会が設置されており、首長さん方におかれましても
成田空港圏自治体連絡協議会を組織されております。それぞれ連携をとりながら空港の早期完全空港化と、空港を中心とする
まちづくりを推進するため努力をし、また国、県、公団等、
関係機関に要望協議を進めてきているものでございます。三年ほど前になりますが、県議会の自民党空対委員の皆様方にも御出席いただいて意見交換をさせていただいた経緯もございます。
成田空港は御承知のとおり、昭和五十三年に滑走路一本のまま開港して以来、関係者の努力にもかかわらず、二十年を経た今日におきましても、いまだ完成を見るに至っておりません。周辺自治体といたしましても、
まちづくりを進める上で大変苦慮している状況にあります。幸いにいたしまして、力の対決から話し合いによる
平和的解決に向けて、関係者相互の努力によりまして大きな前進があります。これは高く評価されるべきでありますが、すべての理解を得るに至っていないことが極めて残念なことであります。
このような中で、去る五月二十一日の閣議で運輸大臣が示した暫定
平行滑走路整備案につきましては、
周辺地域といたしまして、あくまでも二千五百メートル計画を原則としながらも、基本的には理解される方向で進んでおります。今、
周辺地域では地域諸団体が一体となりまして新東京国際空港早期完成促進協議会が相次いで設立され、早期完全空港化を望む運動が起こっております。これはひとえに周辺住民の生活の多くの部分が直接、間接的に空港とのかかわりから切り離せない関係にあるからであります。空港が地域経済、
地域振興上のかなめとなっているからであります。
県は平成七年二月に
成田空港周辺地域振興計画を二〇一〇年を目標に策定され、具体的には現総合5か年計画に位置づけられ、事業展開を図っております。引き続き次期総合5か年計画においても同様の取り組みを期待するところでございますが、長期に経済が低迷することで地方財政が大変厳しい状況下で、計画されている各事業が大幅に立ちおくれるのではないかと心配になっております。
千葉県も平成十一年度の当初予算編成の段階で千四百六十億円の財源不足が見込まれる中で、行政改革の推進、地方債の活用など、可能な限りの財源対策を図ることによって、千七十億円については財源不足への対応をし、残る三百九十億円については、今後の収支状況を見定めながら財源対策を進めることとしてスタートしたわけでありますが、現時点では、当初見込みを上回る財源不足が見込まれ、事業の見直しを余儀なくされておるようであります。
そこで、厳しい財政事情の中で
成田空港周辺地域振興計画が遅延しないよう、県は今後どのように事業を展開されていくのかお伺いするわけでございます。
また、これは答弁不要でございますが、振興計画の各事業にかかわる財源確保について一点要望いたします。
県、市町村財政が逼迫する中で、十二年四月から介護保険事業など新たな事業がスタートし、各市町村は投資的経費の確保が困難な状況にあります。
成田空港周辺地域振興計画の各事業には当然地元負担も伴うことから、各事業の具体的な着手は大幅に遅延するのではないかというふうに考えられます。しかしながら、
成田空港の早期完全空港化と、空港と共生する
まちづくりを推進している
周辺地域にとりまして、振興計画の各事業を着実に進めていくことは極めて重要であります。財政逼迫し、厳しい状況にあることは承知しておりますが、これらの各事業の財源確保に向けて、国等への働きかけなどを含めまして特段の御努力をお願いするものでございます。
次に、
成田空港周辺の
地域振興のための大きな役割を持っている道路問題について伺います。
成田空港は、現在、年間約二千四百万人の人々に利用され、空港貨物取扱量も年間約百五十万トンと全国一の規模を誇っており、まさに日本の空の玄関と呼ぶにふさわしい中核的な施設となっております。また、本年五月には二〇〇二年のワールドカップ開催に合わせて空港の機能の強化が図られるとの新聞報道があり、
成田空港の重要性は一層増すものと考えております。こうしたことから、私は、現在、成田
空港周辺地域の調和のとれた
地域づくりを進めるための
交通対策が、県土の均衡ある発展を図る上からも、
成田空港を日本と世界各国との
交通拠点として一層活用する上からも、大変重要性が増してきているというふうに考えております。
そこで、最初に、現在、県と市町が進めている
成田空港周辺の環状放射道路等の道路ネットワークの検討状況はどうなっているか伺いたいと思います。
次に、富里インターチェンジの関連道路について伺います。
高規格幹線道路である東関東自動車道水戸線の市川―潮来間が昭和六十二年に供用開始し、都心からの時間距離が短縮されたことによりまして、富里インターチェンジ周辺におきましても開発が促進されまして、平成十年度の富里インターチェンジ利用は一日平均約九千台に達していると聞いております。このため、この
アクセス道路である国道四百九号や、これと接続する県道成田両国線は朝夕の通勤時間帯はもとより、休日においても渋滞がひどく、市民の生活や経済活動に大きな影響が出ているのが実情であります。その対策が極めて重要となっております。
そこで、国道四百九号の富里インターチェンジ付近の整備計画はどのようになっているのかお伺いします。また、県道成田両国線
バイパスの
整備状況についてもあわせてお伺いいたします。
なお、この際、これに関連しまして三点ほど要望しておきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
一点目といたしましては、
首都圏中央連絡自動車道の整備促進についてであります。
圏央道は県土の骨格をなす道路として重要であるばかりでなく、
成田空港の東側に位置する地域にとりまして、地域の発展を考える上で欠くことのできない重要な自動車専用道路であります。したがいまして、圏央道の大栄から横芝間の一層の整備促進を要望いたします。
要望の二点目及び三点目は、
県道成田小見川鹿島港線の四車線化と圏央道のインターチェンジ設置に関してであります。
当県道は
成田空港への通勤道路として
周辺地域からも多数の自動車が流入しているにもかかわらず、狭隘な部分が多く、通行等に支障を来している状況にあります。特に空港東側地域が空港を中心とした均衡ある発展を図る上からも、四車線化は必要不可欠であります。このため
周辺地域としても早くから四車線化を要望しておりまして、本年二月二十五日には、
成田空港周辺市町村議会連絡協議会といたしまして建設省に滑走路建設の際は四車線化の地下トンネルの設置を、また五月二十六日には一市七町の関係者で
県道成田小見川鹿島港線の整備促進協議会を発足させまして、同日開催されました促進大会において、当路線にインターチェンジの設置を強く要望していくことが確認されたところであります。今般、二〇〇二年初夏までに暫定案も含め
平行滑走路の建設について検討されていると聞いておりますが、これに合わせて
道路整備を進めていかなければならないと考えております。
そこで、次の二点について要望しておきたいと思います。
一つは、
県道成田小見川鹿島港線の四車線化の整備についてであり、もう一つは、圏央道に
県道成田小見川鹿島港線とのインターチェンジを設置するよう要望いたします。
次に、
成田空港周辺の河川の整備について伺います。
成田空港は北総台地の高台にあり、根木名川水系と栗山川水系の分水嶺に位置しております。
成田空港内の排水は根木名川支川の取香川に流入されています。
成田空港の開港に伴い、空港隣接の成田市三里塚及び富里地域の開発が進み、流域の浸水被害がたびたび発生したところであります。
この根木名川の改修は
成田空港の建設に伴う雨水の流出増対策として、昭和四十三年度から新東京国際
空港周辺整備のための国の財政上の特別措置により鋭意整備が図られてまいりました。特に私が現在理事長をしております根木名川上流土地改良区が昭和六十三年に設立されまして、当事業によりまして河川用地が確保されたことに伴いまして河川改修が進み、現段階では、十年に一回の洪水にも対応が可能であります。流域の浸水被害は大幅に軽減されて、
地域住民から感謝されておるところであります。
しかしながら、流域内は空港やその後の経済進展等を契機といたしまして、
周辺地域開発が著しいことに加えまして、空港二期工事計画、また、その周辺の関連施設等の整備はさらに急速に進むものと考えられます。根木名川はもとより支川である取香川、荒海川などにかかる負担は大きくなり、洪水時の浸水被害等が懸念されるところであります。現に平成八年九月の千葉県での観測史上最大の大雨をもたらしました台風十七号で、上流部の富里地域においては、高台にもかかわらず周辺一面が一時的に湖となり、浸水被害が発生したことは記憶に新しいところであります。
一方、
空港周辺の開発が進むにつれまして、栗山川も同様の状況にあります。上流部の多古町地先においても浸水被害が発生しております。
河川事業は莫大な費用と多くの年月を要すること、また厳しい財政事情などがあり、大変とは思いますが、流域に暮らす人々が安心して生活できるよう、一刻も早く完成が図られるよう強く願うものであります。
そこでお伺いいたします。
一点目は、根木名川の河川改修事業の進捗状況について。
二点目は、栗山川の河川改修事業の進捗状況についてであります。
次に、
空港周辺地域に限った問題ではありませんが、県内のそれぞれの地域の振興上において大きな課題となっております廃棄物問題についてお伺いします。
これまで私たちは便利で豊かな生活を追い求める余りに、消費優先、消費は美徳なりといった気風が蔓延いたしまして、多く廃棄物を生み出してまいりました。私たち日本人は大変きれい好きと言われておりますが、掃除の好きな民族であるにもかかわらず、ごみは捨てるものとの考え方が以前から定着しておりまして、そういった意味では一層廃棄物を生み出してきております。
こういったことの中で、処理状況につきましては、先ほど密本議員からもお話がございましたように、総量的にも、あるいは最終処分場等の残余容量等を見ましても、極めて厳しい状況下にあります。これまで各市町村におきまして、ごみの焼却施設あるいは最終処分場等の確保についてさまざまな苦労をされておるわけでございますが、このような状況下から、私たちはなるべくごみを排出しない、それでも出てくるごみは新たな資源として利用する取り組みを強力に進めていかなければならないであろう、そう考えております。
そこで、今、私たちの個々の意識改革はもとより、資源を過度に消費し、環境への負荷が大きいこれまでの社会経済システムを直ちに見直した上で、国、県、あるいは県民が一体となって、それぞれの責任と役割を果たしていくことが必要であろうというふうに思います。
こうした中で、廃棄物のリサイクルについては容器包装リサイクル法が平成九年度から本格施行されて、ごみの減量化、再資源化による循環型社会への構築へ向けて新たな一歩が踏み出されております。これに基づき県内各市町村では分別収集が行われており、住民サイドでもペットポトルの洗浄やキャップの取り除き等、きめ細やかな協力を惜しまない方々がふえていると聞いております。平成九年度の収集量は、東京都に次いで全国第二位の成果を上げるなど、
関係機関の努力と県民の意識の高さをうかがわせる結果を示しております。
一方、分別収集方法を見ますと、地域性などが反映されましてか、県内市町村が同じ歩調とはなっておりません。例えば、調理済みのパックされた食品の普及に伴いまして、発砲スチロールトレイなどを分別収集し、再資源化を図っていますのは富里町を初めといたします一市二町にすぎないなど、それぞれの自治体でまちまちな状況となっております。分別収集方法が統一されていないことは、再資源化を促進する上で大きなネックとなっているものと危惧されるところであります。
再資源化を促進するためには、より多くの市町村が統一的な分別方法を採用することが効果的であり、その視点からも、県がこのほど策定しましたごみ処理広域化計画の積極的な推進を願うものであります。しかしながら、計画の推進に当たっては、各市町村の焼却炉の耐用年数の違いや、総論賛成、各論反対になりがちな設置場所の選定問題など、さまざまな困難が予想されます。その中で広域化を実現していくためには、実施主体である市町村間の調整役として県当局の積極的な助言、指導が望まれるところであります。
そこで伺います。
第一点といたしまして、本県における一般廃棄物の再資源化状況はどうなっているのか。
第二点として、県はごみ処理広域化計画の推進に向け、今後どのように取り組んでいくのか。
最後に、教育問題について一点要望いたします。
昨年十一月に設置された千葉県高等学校将来計画協議会において、現在、本県の高等学校教育の将来のあり方について協議が進められております。去る六月七日には中間まとめが発表されました。引き続き真剣な協議を通して、次代を担う子供が夢と希望を持って学ぶことができる高校教育の展望を示していただくよう期待したいと考える次第です。
当然のことではありますが、子供たちは皆学校に期待感を抱き、生き生きとした楽しい学校生活を通して、自分の個性や能力を大いに発揮したいという希望を持っています。殊に高校進学は初めて自分の考えで学校を選ぶ機会となるわけで、各自の進路希望に沿って幅広い学校選択ができるよう十分配慮し、決して子供たちの可能性を閉ざすことがあってはならないと思います。
そこで、私の地元であります印旛郡では、近年、千葉ニュータウン建設事業に伴う人口の流入や鉄道網の整備など、高校教育を取り巻く環境が急激に変化しており、多くの住民が公立高等学校の通学区域の問題に関心を寄せております。公立高等学校通学区域に関する規則によりますと、印旛郡本埜村は第五学区に属しております。同規則では、志願者が住んでいる学区に隣接している市町村の高校は志願することができますが、本埜村では他の学区に隣接していないため、第五学区に隣接している船橋市や八千代市を志願することができません。こうしたことから、同じ第五学区でも、本埜村に隣接している印西市や白井町から受験できる全日制普通科の高校数は五十二校であるのに対し、本埜村からは二十一校しか受験できず、大きな格差があります。
一方、本埜村周辺の
交通事情は一段と向上しております。北総開発鉄道印西牧の原駅が既に開業し、今年度中には同鉄道が東武野田線と新鎌ケ谷駅で接続予定であるばかりか、平成十二年中には印旛日本医大駅まで延伸される予定であります。このことにより、本埜村から第二学区の船橋市、八千代市、習志野市はもとより、第四学区の鎌ケ谷市、柏市などへの
交通アクセスは飛躍的に向上いたしております。
そこで教育長に要望いたします。
本埜村から志願できる全日制普通科の公立高校の通学区域を早期に見直し、印西市、白井町と同等に第二学区及び第四学区まで通学区域を広げていただけますよう要望いたします。
以上で質問を終わります。(拍手)
◯副議長(篠田哲彦君)伊藤勲君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事沼田武君。
(知事沼田 武君登壇)
◯知事(沼田 武君)伊藤勲議員の御質問にお答え申し上げます。
成田空港周辺地域振興計画に関連して、この事業がおくれないようにしてほしいという強い御要請をいただいたわけでございますが、
成田空港周辺地域振興計画は平成七年二月に
成田空港周辺市町村が空港の機能の活用や近接性等の有利性を生かし、空港と共生しながら発展する地域の将来構想として策定いたしまして、関連事業についてはちば新時代5か年計画に本格的に位置づけまして積極的に取り組んでいるところでございます。これまでに国道二百九十六号
バイパス整備など、国道、県道や市町村道の整備、富里町などの公共下水道の実施、周辺八地区の農業集落排水事業の実施、根木名川土地改良事業を初めとする農業基盤整備などの事業が進められているところでございます。今後の取り組みにつきましては、財政状況が大変厳しい状況にはございますけれども、幸い成田財特法が五年間延長いたしましたので、これをうまく活用しながら、国の助成制度の活用も含めて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、廃棄物問題に対しまして、一般廃棄物の再資源化状況についての御質問でございます。一般廃棄物の再資源化につきましては、平成六年度に策定しましたごみの減量化と再資源化を進める
基本方針に基づき、県民や
関係機関の協力をいただきながら推進しているところでございます。具体的には、容器包装リサイクル法に基づく分別収集や町内会等による自主的な集団回収による再資源化、二つ目には、市町村のごみ処理に当たって、溶融等の新技術を導入することによる再資源化等によりまして取り組んでいるところでございます。この結果、平成九年度におきましては、一般廃棄物等の総量の一八・八%に当たる四十三万七千トンが再資源化されておりまして、これは全国的にもトップクラスの実績というふうに考えております。こうした中で今年度は
基本方針の改定を予定していることから、容器包装リサイクル法等、関係法令はもとより、市町村の実情等も十分配慮しながら、実効性のある新たな
基本方針を策定いたしまして、県民、事業者、行政が一体となった一般廃棄物の再資源化を積極的に推進してまいりたいと考えております。
他の問題は担当部局長から御答弁申し上げます。
◯副議長(篠田哲彦君)環境部長白戸章雄君。
(説明者白戸章雄君登壇)
◯説明者(白戸章雄君)廃棄物問題のうち、ごみ処理広域化計画の推進に向けた取り組みについてでございます。本計画は市町村等のごみ処理施設を広域的に集約することなどによりまして、ごみ処理に伴うダイオキシン類の発生抑制を図るとともに、最終処分場に依存しないごみ処理システムの構築を目指し策定したものでございます。その推進に当たっては、県民、事業者、市町村及び県がそれぞれの立場で相互に連携協力して取り組むことに加え、広域化ブロックとして区割りした二十二のブロックごとに地域特性を踏まえつつ、
施設整備を進めることとしております。
県としては県民の理解と協力が得られるよう、この計画の周知に努めるほか、市町村等に対しまして、一つは、広域化の推進母体となるブロック別協議会の設立を誘導するとともに、ブロック別広域化計画の早期策定を支援すること、二つとして、事業主体やごみ処理に関する新技術の導入等についての指導、助言をすることなどによりまして、ごみ処理の広域化が円滑に推進されるよう努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯副議長(篠田哲彦君)
土木部長武藤和宏君。
(
説明者武藤和宏君登壇)
◯説明者(武藤和宏君)最初に、成田
空港周辺地域の道路網の整備についてお答えします。
まず、
成田空港周辺の環状放射道路等の道路ネットワークの検討状況についてでありますが、
成田空港の
周辺地域においては、これまで地域の
交通実態を踏まえながら鋭意
道路整備に努めてきたところであります。また、当該地域は将来的に
交通需要が大幅に増加することが予想されることから、空港を中心とする環状の道路ネットワークや放射方向の道路についても整備構想を検討してきたところであります。このうち放射方向の道路については、既に
県道成田小見川鹿島港線や
成田松尾線などの整備を鋭意進めているところであります。また、環状道路については、国道四百九号の富里付近において本年度事業化を図るとともに、
県道成田松尾線の芝山町菱田地区における延伸計画を事業化するため準備をしているところであります。今後とも引き続き
関係市町村の協力を得ながら、
成田空港周辺の道路網の整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、四百九号の富里インター付近の整備計画についてでありますが、国道四百九号の富里インター付近の
道路整備につきましては、インター周辺の
交通混雑解消を図るため、これまで富里町七栄から成田市並木町までの延長約一・九キロメートルについて四車線化のための基礎的調査を実施してきたところであります。平成十一年度は新規に国庫補助事業に採択されたことから、地元説明会を開催した後、用地測量を実施し、さらに
用地買収に着手することとしております。今後とも
地元関係者の協力を得ながら事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、県道成田両国線
バイパスの
整備状況についてでありますが、県道成田両国線は特に朝夕の通勤時における
交通渋滞が激しいことから、富里町七栄地先において
バイパスの整備を進めているところであります。全体計画約一キロメートルのうち、富里幼稚園前交差点から国道二百九十六号の七栄三叉路間の約七百メートルをこれまでに供用し、残る富里小学校付近までの約三百メートルについて、現在、鋭意
用地買収に努めているところであります。今後とも地元及び
関係機関の協力を得ながら事業の推進を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、成田
空港周辺地域の河川の整備についてお答えします。
最初に、根木名川の河川改修事業の進捗状況についてでありますが、根木名川の河川改修は昭和四十三年から空港関連事業により十年に一度発生する一時間に五十ミリメートルの降雨にも安全である河道整備を平成六年度までに終了したところであります。さらに、県は五十年に一度発生する降雨にも対応できるように河川整備を進めているところでありまして、平成十年度末までの
整備状況は約五二%となっております。今後とも地元
関係機関などと十分連携を図りつつ、河川整備の推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、栗山川の河川改修事業の進捗状況についてでありますが、栗山川の河川改修は河口から光町芝崎地先までの九キロメートル区間について広域基幹河川改修事業により改修を進めているところであります。現在は緊急を要するJR総武線付近の横芝町と光町の市街地二・一キロメートルの間について平成三年度より住宅宅地関連公共
施設整備促進事業を導入し、鋭意河川改修を進めているところでありまして、平成十年度末の進捗は七〇%となっております。今後とも地元地権者及び関係自治体の協力を得て事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯副議長(篠田哲彦君)伊藤勲君。
◯伊藤 勲君 大変丁寧にお答えいただきましてありがとうございます。ただ、私の理解度が不足しているせいか、もう少し強く要望しておきたいというふうに思うわけです。もう一つ、知事には、ここで
周辺地域からぜひお願いしておいてほしいということを一つ言いつかっておりますので、お願いいたしますけれども、ここで二千五百の完全空港化、もしくは暫定滑走路にせよ、この機を逃してしまいますと、いずれ羽田の国際化という問題が起きてくるということが懸念されます。ぜひとも県におかれましても最大限の努力をお願いしてきてくれと言われておりますので、お願いしたいと思います。
また、この地域は
成田空港が建設されるに際しまして、社会資本の整備というのが全くなかった状況に等しい中で行われたわけでございますので、ぜひとも先ほど来要望しております
周辺地域のための
道路整備あるいは排水整備等、できるだけ速やかに事業を進めていただけますようお願いして、私の質問を終わりにいたしたいと思います。ありがとうございました。
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休 会 の 件
◯副議長(篠田哲彦君)日程第二、休会の件を議題といたします。
お諮りいたします。七月五日は議事都合のため休会とすることに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◯副議長(篠田哲彦君)御異議ないものと認め、そのように決定いたします。
本日の日程はこれをもって終わります。
七月六日は定刻より会議を開きます。
これにて散会いたします。
午後二時二十九分散会
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本日の会議に付した事件
一、伊藤 丈君の質疑並びに一般質問
一、右に対する当局の応答
一、
湯浅和子君の質疑並びに一般質問
一、右に対する当局の応答
一、密本俊一君の質疑並びに一般質問
一、右に対する当局の応答
一、伊藤 勲君の質疑並びに一般質問
一、右に対する当局の応答
一、休会の件
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出 席 議 員
議 長 小 川 洋 雄 君
副 議 長 篠 田 哲 彦 君
議 員
赤 間 正 明 君 宮 寛 君
湯 浅 和 子 君 田 中 信 行 君
森 田 三 郎 君 石 井 裕 君
阿 井 伸 也 君 吉 本 充 君
篠 塚 年 明 君 豊 田 俊 郎 君
皆 川 輝 夫 君 岩 橋 百 合 君
小 宮 清 子 君 三 輪 由 美 君
山 崎 とよ子 君 田 中 明 君
河 野 俊 紀 君 杉 田 守 康 君
西 尾 憲 一 君 田 口 賢 君
佐 野 彰 君 中 村 光 伸 君
鈴 木 昌 俊 君 山 口 登 君
伊 藤 勲 君 佐 藤 正 己 君
小 島 武 久 君 大 塚 堯 玄 君
伊 藤 丈 君 板 倉 敬 一 君
山 崎 三 行 君 小 松 敦 君
小 橋 迪 夫 君 堀 江 は つ 君
久保村 礼 子 君 黒 田 雄 君
近 藤 喜久夫 君 宇 野 裕 君
岩 田 富久司 君 岡 村 泰 明 君
阿 部 紘 一 君 石 井 利 孝 君
青 木 重 之 君 大 野 克 己 君
宍 倉 登 君 湯 浅 伸 一 君
河 上 茂 君 密 本 俊 一 君
川 名 寛 章 君 村 上 克 子 君
丸 山 慎 一 君 古小高 弘 則 君
吉 野 秀 夫 君 高 崎 照 雄 君
冨 塚 誠 君 中 村 昌 成 君
鈴 木 洋 邦 君 成 尾 政 美 君
谷田川 元 君 庄 司 健 男 君
小 高 伸 太 君 本 間 進 君
八 代 俊 彦 君 酒 井 茂 英 君
浜 田 穂 積 君 田 中 由 夫 君
武 正 幸 君 鈴 木 良 紀 君
斎 藤 万 祐 君 田久保 尚 俊 君
石 井 準 一 君 栗 山 栄 子 君
小 松 実 君 加 藤 英 雄 君
江 原 成 訓 君 加賀谷 健 君
黒 野 波 三 君 花 沢 三 郎 君
金 子 和 夫 君 桜 井 敏 行 君
齋 藤 美 信 君 酒 井 巖 君
安 藤 勇 君 井手口 魁 君
飯 島 重 雄 君 渡 辺 二 夫 君
莇 崇 一 君 本 清 秀 雄 君
中 村 九 蔵 君 宮 内 三 朗 君
石 井 文 隆 君 笹 生 定 夫 君
堀 江 秀 夫 君 椎 名 一 保 君
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欠 席 議 員
伊 藤 和 男 君 真行寺 英 治 君
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出 席 説 明 者
知 事 沼 田 武 君
副 知 事 島 崎 實 君
出 納 長 奥 山 浩 君
総 務 部 長 石 橋 暎 壽 君
企 画 部 長 今 泉 由 弘 君
社 会 部 長 佐 藤 喜美子 君
衛 生 部 長 加 藤 恒 生 君
環 境 部 長 白 戸 章 雄 君
商工労働部長 石 田 悠 司 君
農 林 部 長 齊 藤 市 衞 君
水 産 部 長 土 田 宏 昭 君
土 木 部 長 武 藤 和 宏 君
都 市 部 長 田 辺 英 夫 君
水 道 局 長 宮 崎 勝 美 君
企 業 庁 長 中 野 英 昭 君
血清研究所長 鎗 田 豊 彦 君
教育委員会委員 篠 崎 輝 夫 君
教 育 長 中 村 好 成 君
公安委員会委員 志 村 征 一 君
警察本部長 上 田 正 文 君
人事委員会委員 高 橋 喜三郎 君
人事委員会
事 務 局 長 石 丸 元 康 君
(午前)
監 査 委 員 井 村 雅 一 君
(午後)
代表監査委員 川 崎 康 夫 君
選挙管理委員会
委 員 峯 岸 一 衛 君
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出席事務局職員
事 務 局 長 東 城 浩 光
事務局次長 磯 貝 正 尚
議 事 課 長 根 本 迪
秘 書 室 長 鑓 田 正 篤
総 務 課 長 岡 田 正 隆
調 査 課 長 小 柴 敏 洋
図 書 室 長 渡 邊 勝 人
議事課長補佐 篠 原 俊 策
議事課主査 田 中 衛
議 事 係 長 須 田 功
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